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コンセンサスゲームがチームビルディングに役立つ5つの理由とは?メリットやルールも紹介!

目次
企業に限らず、さまざまな組織において重要なのが「チームビルディング」です。強い組織になるためには、組織内の人間関係だけではなく、適材適所やモチベーション管理などが重要になります。
ワークショップアクティビティの一つであるコンセンサスゲームでは、このチームビルディングをしやすくなる学びや気づきがあります。この記事では、コンセンサスゲームがいかにチームビルディングに役立つのかについて詳しくお話ししていきます。
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コンセンサスゲームとは?
コンセンサスゲームは、グループで一つの「合意された」答えを出すゲームです。コンセンサス(consensus)とは、複数の人との合意、意見の一致を指します。
課題に対して多数決で決めるのではなく、グループにいるメンバーの意見をまとめ、全員が納得した答えを導き出すのが特徴です。コンセンサスゲームはコミュニケーションを密にはかるため、ほかの人の思考や価値観が自分とは異なることを知れます。
また、話し合いのなかで答えを出すための情報を整理する力や論理的な思考も必要です。仲間とコミュニケーションを図りながら達成感を味わえることから、マネジメント能力やリーダーシップに長けた人材を育む手法として注目されています。
コンセンサスゲームは、さまざまなスキルを磨けるゲームです。チームビルディングや集団面接の場面で利用されています。
コンセンサスゲームがチームビルディングに役立つ5つの理由
コンセンサスゲームがチームビルディングに役立つ理由は以下のとおりです。
1.グループワークだから
コンセンサスゲームでは、一つの課題に対して、さまざまな意見が飛び交います。チームビルディングに取り入れることで、組織内を円滑に進める力が学べるのです。グループワークに適している理由は三つあります。
コミュニケーションの量が増える
コンセンサスゲームでは、それぞれのグループに共通のお題が与えられます。共通認識を持って話し合いが進められていくので、自然とコミュニケーションの量が増え、メンバーの一体感が生まれやすくなります。
社内でのコミュニケーション不足は、「報連相(報告・連絡・相談)」の漏れに繋がります。ノウハウの共有やナレッジなどの共有が積極的に行われれば、今後のグループ内の課題にも役立つでしょう。
新しい創造が生まれる
社内や組織では、イノベーションは必要不可欠です。コンセンサスゲームを行う際、グループで取り組むメリットは「多様な価値観や考え方に触れられる」こと。自分では思いつかなかったアイデアに刺激を受けることで、より想像力が磨かれるでしょう。
モチベーションが上がる
コンセンサスゲームは、一つの課題に全員で取り組みます。また、その答えも合意を図らなければなりません。異なる意見をまとめながら行うゲームなので「一人ひとりがグループに関わっている」という意識が強くなります。最終的に答えが導き出されれば、達成感も味わえ、モチベーションの上昇に繋がるでしょう。
各々がモチベーションの高いグループは、チームビルディングに必要な「自主的にグループに貢献しようという行動」が生まれます。その意欲が質の高い成果に繋がり、結果的に組織の生産性や品質の向上に繋がっていきます。
2.お互いを尊重し合う機会があるから
尊重し合う場面があるのも、理由の一つです。コンセンサスゲームは、相手と合意を取った上で意見を一致させるゲームです。そのため、他のメンバーの意見を否定することや、自分のアイデアを押しつけることはありません。
お互いの意見を尊重しながら最適解を導いていくため、チームビルディングとして取り入れるには最適と言えます。
合意形成を図る上で必要なポイントをみていきましょう。
否定する言葉を使わない
話し合いの中で、否定形を使用しないようにしましょう。疑問形や肯定形で言い換えると、相手の意見を尊重しながら話し合いを進められます。
- 「それは違いますよね」
- 「そうは思わないです」
など、白熱した議論の中ではつい否定の言葉が出てしまいがちです。否定されたメンバーは、自分のアイデアを否定されたことにストレスを感じてしまうでしょう。
その場合は、他のメンバーの発言を一旦受け止めて肯定すべきです。ストレートに間違っていることを指摘せず、深掘りするような質問を投げかけていくと否定的な反論にはなりません。自分の発言が常に取り入れることで、各々の納得の度合いが強くなり、最終的に一つの結論に導けます。
聞かせてほしいスタンスを取る
コンセンサスゲームを行う上で合意が必要となりますが、強制的に導かないように気をつけましょう。他のメンバーから意見を引き出すときには「あなたのアイデアに興味があるので、聞きたい」と思わせるスタンスが大切です。
発言者もあくまで話さなくてもいいというスタンスを尊重してください。「自分に好感や興味がある」と思わせるような雰囲気の作り方をコンセンサスゲームで学べます。
最終的な合意を得られるまで、断定する言葉は使用しない
否定する言葉よりは強い言葉ではないですが、話し合いの途中に断定する言葉を投げかけられると、ほかのメンバーは「他の意見を言っても仕方ないのではないか」という印象を与えてしまいます。
グループの合意を得るためには、結論に対し、一人ひとりの納得感がとても重要になります。つまり、相手に「お互い意見を出し切れた」と思ってもらえるような話し合いが必要なのです。妥協する点も含めて、お互いが納得する結論を導き出した際に断定する言葉を使うようにしましょう。
どうしても使用しなければいけない場合は「事実」を話す程度にとどめ、メンバーが事実に対して何を感じるかを聞くようにします。自分の意見(気持ち)と事実を混ぜて話すと、ほかの人は話しづらくなるので注意が必要です。
このようなポイントに気をつけながら、ゲームを進めていきましょう。意見が合わずに対立が続く場合は、グループ内にいる発言者以外の第三者の意見を聞いて見るのも手です。
お互いの意見を尊重する機会は、チームビルディングには欠かせません。コンセンサスゲームを取り入れることで、普段の議論の質もアップすることでしょう。
3.討論する時間があるから
討論する時間があるのも大事な要素です。討論という言葉を想像すると賛成か反対か、それぞれの派閥に分かれて話し合うイメージを思い浮かべる方が多いかもしれません。ディベートと呼ばれる手法です。
チームビルディングはディベートより、ディスカッションを重視しています。ディスカッションは、それぞれお互いに意見を出し合いながら、合意形成を図る手法です。グループ内のメンバーには、はじめましての人もいれば、顔見知り程度の人もいるはずです。
あまり人間性を知らないメンバーとディベートをするのは、メンタル的にも苦しいものがありますし、チームの協調性、個人のコミュニケーション能力を上げることには適していません。コンセンサスゲームではディスカッションを用います。話し合いの中で、メンバーそれぞれの個性や性格が垣間見えるでしょう。
ディスカッションは誰でもできることではありません。建設的な意見をチームで作り上げるためには、相応のスキルが必要です。とくに重要なスキル例を挙げてみます。
- 自分の主張が言える
- リーダーシップがある
- 相手に意見を適切に伝えられる
- 論理的に話し合いができる
- コミュニケーション能力のレベル
- 他者への配慮ができる(協調性)
- 傾聴力がある
コンセンサスゲームを通し、合意形成をはかるコミュニケーションがどれだけ難しいかわかるでしょう。また、ほかのメンバーの判断基準や価値観も覗けます。チームビルディングにコンセンサスゲームを取り入れれば、組織の人材育成に役立つこと間違いなしです。
もう一つ、ディスカッションをすることのメリットがあります。それは「自分ごと」として課題に取り組めることです。当たり前ですが、多くの人は「自分のスキルや能力を認めてほしい」と考えています。
それに対し、会社は組織の目標達成を求めているケースが多いです。ギャップが起きたまま仕事のなかでミスや滞りが起きたとします。そのとき、メンバーは原因を他者や会社に求めてしまい、自分の任された範囲の責任だけをもちます。責任だけにフォーカスしてしまうと、課題の改善は進まず、生産性は上がりません。
コンセンサスゲームは、一つの課題に全員で取り組み、一人ひとりの意見を尊重するゲームです。メンバーそれぞれに、責任感がより生まれます。課題を「自分ごと」として捉えられれば、さまざまな意見から課題の解決がスムーズに行われ、組織の目標達成も得られるでしょう。
4.意見をまとめる力が鍛えられるから
メンバーの意見が違っていても、誰かがまとめなければなりません。グループ内でそれぞれが自由に話していても、全員が納得できる答えは導き出せないため、必ず進行役(ファシリテーター)が必要になります。
ファシリテーターは、グループでの話し合いを円滑に進める立場でもあり、ゲーム全体を仕切る立場です。全員がディスカッションに慣れているわけではありません。そのまま話を進めてしまうとさまざまな問題が起きてしまいます。
ファシリテーターは、チームディスカッションで起こり得る問題をまとめあげながら、正しい方向に討論が進むように導きます。チームディスカッションにおいて、意見をまとまる力を鍛えるためのポイントは、以下のとおりです。
相手のアイデアを引き出す
コンセンサスゲームでは、メンバー全員が話し合いに参加できるように配慮することが大切です。和やかなムードのほうが話しやすいでしょう。配慮を怠ると「話し上手な人=いい意見」に見える場合があります。
会話の質と意見の質を分けて考え、全員の話を公平に引き出すように調整するのがコツです。
相手の理解をサポートする
グループで話し合いをする際には、コンセンサスゲームのお題やゲームそのものに対して共通の理解をしていなければなりません。討論の途中で発言者が聞き慣れない言葉を話した際、聞き手側が戸惑う場合もあります。
そのような状況をサポートするのもファシリテーターの役目です。言葉だけでなく、ホワイトボードに図でまとめながら進めると、グループで共通の認識が生まれやすいかもしれません。
討論をコントロールする
複数人で話していると、コンセンサスゲームのお題があっても話がそれて盛り上がることがあります。話している本人たちは気づかないことが多いので、そっと軌道修正することが大切です。
その場の雰囲気が壊れないよう「それは楽しそうですね。ところで、残り時間が気になるので、テーマに戻してもいいですか」というように、場の空気を断ち切らないようにコントロールしましょう。
グループ内で意見が対立するなどして、険悪なムードのときはその場を納める配慮も必要です。険悪な状態になる前の話題などを取り上げて、注意をそらしながら冷静に進行するといいかもしれません。改善されない場合は、午前と午後でチームシャッフルする方法も有効です。
結論を促す
コンセンサスゲームには制限時間があります。時間内にアイデアをまとめるように促すこともファシリテーターの役割です。さまざまな意見が飛び交うのはコミュニケーション能力を養うのに有益なことでしょう。
しかし、細かい部分などで話し合いが深掘りされてしまうと、制限時間をオーバーする可能性も考えられます。「あと10分程度です」など、メンバーに時間を教えてあげると最終意見がまとまりやすくなるでしょう。
コンセンスゲームでのファシリテーターは、さまざまな役割を担わなくてはなりません。ゲーム参加者以上に個人のスキルが磨かれていくでしょう。参加者、ファシリテーターを含めた全員が、お互いを尊重しあってゲームに取り組むとよいでしょう。
5.コミュニケーションが必要とされるから
コミュニケーションが必要とされるのも理由です。組織として成果をあげながら、メンバー一人ひとりの強みを生かすためには、お互いの個性や価値観をよく理解することが重要です。メンバーの強みを知っていれば、課題に直面した際に、メンバーの強みを活かした行動が取れるようになります。
そのためには、日頃からコミュニケーションが活発化されていなければなりません。積極的にコミュニケーションを図るチームであれば、目標を達成する上での討論やアクションが増えていくので、問題にチーム一丸となって取り組めるのです。
チームビルディングにコンセンサスゲームを用いることで、グループにいるメンバーの考え方や人となりがわかりますし、討論の場でコミュニケーションの活性化も見込めます。組織力を上げる方法としても、コンセンサスゲームを取り入れるのもアリです。
コンセンサスゲームの5つのメリット
コンセンサスゲームを取り入れることで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。見ていきましょう
1.価値観の違いを知ることができる
コンセンサスゲームは、一つの課題に向かって、お互いの気持ちを尊重しながら、合意の下で結論を導いていくゲームです。お互いの意見を尊重することで「話をしてもいいんだ」「自分もグループの一員なんだ」という雰囲気が生まれ、コミュニケーションが活性化されます。どんなことでも話せるような雰囲気づくりをすると、メンタル的にも落ち着いて話せます。
さらに同じ価値観をもつ人が少ないことやさまざまな考え方があり、結論も一つではないことを身をもって体験できるでしょう。
2.譲ったり思いやったりする精神が鍛えられる
譲り合いや思いやりの精神が鍛えられるメリットもあります。コンセンサスゲームで結論を導くためには、自分とほかのメンバーとの価値観の違いを知ることが重要だとわかりました。意見や考え方の違いのほとんどは、個人がもつ情報の量や解釈の仕方、目的、価値観の違いから起きます。とくに、目的のズレや価値観の違いは「私もこう思っているから、この人も同じだ」という思い込みの原因になります。
思い込みが起きると、意見の対立が起きやすくなることを覚えておきましょう。その上で、討論を行う際は相手の意見を尊重しながら話します。納得いかないことがある場合は、相手を否定せずに質問形式で話してみるなど、相手の話を深ぼるように聞きます。
わかっていても、最初は難しいかもしれません。コンセンサスゲームでコミュニケーションを図りながら、徐々に慣れていきましょう。
3.論理的な思考を磨ける
コンセンサスゲームでは合意形成が求められます。相手の意見に納得するためには、それなりの根拠がないと合意を得られません。「なぜその答えになったのか」をしっかりと論理的に考えることが必要になります。
たとえば、配布されたアイテムをお題のシーンで使用するときの優先順位を決めるとします。その際、なんとなく決めたり、ピンときただけで優先順位を決めたりしてはいけません。「選択したアイテムがどんな理由でお題のシーンで活躍するのか」をしっかり考えて、相手に伝えるようにしましょう。
客観的なデータを知っているのであれば、事実としてメンバーに伝えるものありです。気分的なものではなく客観的なものだと伝えれば、他のメンバーも優先度合いを考えるときの参考になりますし、合意も得られやすくなります。
まさに、チームビルディングには欠かせない論理的思考を身につけられます。
4.情報を整理する力が身につく
他者が意見を言うため、情報を整理する力も身につきます。コンセンサスゲームは、複数人で行うゲームです。相手の意見を否定せずに話し合いが進むので、さまざまな意見が予想されます。コンセンサスゲームの結論を出すためには、ほかのメンバーの意見やゲームの進行度合いをまとめるための情報を整理する力が不可欠です。
ファシリテーターを決めて、制限時間を考慮しながら進めます。全員が話し合った内容に対して共通の理解を持っていると意見がまとめやすいです。その場にホワイトボードやメモ用紙(または方眼紙)などがあれば可視化できるので、より共通認識が生まれやすくなります。
5.複数人で取り組める
複数人で取り組めるのもメリットです。コンセンサスゲームはディスカッションパートがあるため、組織に必要な協調性やリーダーシップといったさまざまなスキルを伸ばせるでしょう。
一人で行うワークショップアクティビティの場合、自分がこれまでインプットしてきた考え方でしか物事を判断できません。複数人で行うコンセンサスゲームだからこそ、さまざまな考え方や価値観に触れられるのです。
多くの組織では、少人数のチームに分かれて仕事を進めていくことになるでしょう。チームとして期待された以上の成果を上げるためには、チームビルディングは必須になります。
チームビルディングには、コミュニケーションがカギとなるため、複数人で活発な意見交換ができるコンセンサスゲームは最適なアクティビティだといえるでしょう。
コンセンサスゲームのルール
最後に、コンセンサスゲームのルールを把握しておきましょう。
お題を出題する
まずお題(テーマ)を出題します。お題は全員に必ず伝わるように心がけます。全員に伝わったら、グループを作りましょう。
グループを作るときは、参加者にすべて委ねないようにします。参加者に任せると親しい相手や会社の部署で固まることが多いからです。くじ引きを利用するなど、ランダムなグループになるように決めます。
顔見知りが少ないケースや新入社員がいるケースもあります。その際は、コンセンサスゲームの本題に入る前を活用し、グループごとに自己紹介する時間を設けるのもいいでしょう。
グループ内で話し合いながら、一つの解答を決める
グループで話し合いをしながら、答えを決めてもらいます。コンセンサスゲームは、多数決で結論を決めることや、ほかのメンバーに遠慮をして意見を合わせてはいけません。少ない意見にも耳を傾けながら、納得ができるまで討論を重ねます。制限時間は15~30分程度です。
話し合う際は、合意形成を図りやすくするためにメモ用紙やホワイトボードを利用します。言葉だけでは、討論を重ねるごとに重要なアイデアを忘れてしまうからです。文字で表したり、グラフィックを使ったりすれば、意見のすり合わせがしやすくなります。全員の合意を得られるよう進めていくのがポイントと言えます。
解答と正解が合っているか確かめる
解答と正解が合っているか確かめます。グループごとに意見がまとまったら、各グループの解答発表です。グループ内で話し合ったときのように、討論の内容を踏まえて解答に至った経緯を話していきます。
全グループの発表が終わったら、最後に上司や経営者からの講評をもらいます。講評をする際には、かんたんな一言だけで終わらないように話しましょう。コンセンサスゲームは、解答が合っているか・そうでないか、解答がいいか・悪いかの二者択一ではありません。一番の目的は、チームビルディングに大切な合意形成の過程を体験することです。
討論を通して得られた感覚を大切にし、生活や通常業務に活かすことが重要です。講評者は、その点を踏まえた話し方で、メンバーに伝えましょう。
まとめ
コンセンサスゲームでは、合意形成を得るための過程や論理的に考える力、情報を整理する力が求められます。ビジネスシーンで役立つスキルばかりです。合意形成の段階を学ぶことはさまざまなメリットや効果があり、チームビルディングの構築に欠かせない要素となります。
個人のスキルアップはもちろん、グループ全体のスキルアップに繋がります。ぜひチームビルディングにコンセンサスゲームを取り入れてみてください。
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