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研修の効果測定の方法は?知っておきたい評価指標とやり方
目次
社内で研修をした後、効果測定はしていますか?研修の効果測定を実施していない会社では、下記のようなことが起こっているのではないでしょうか。
「複数の研修を実施しているので忙しい」と、手が回らない。
「具体的にどうすればいいのかわからない」と、悩んでしまう。
この記事では、研修の効果測定が必要な理由や、使える評価指標をもとにした具体的な方法をご紹介します。
導入例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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研修の効果測定が必要な理由
さらに、効果的な研修を実施することは、会社に貢献することにもつながります。
「年1回の研修が恒例になっているから」
「毎年この研修をしているから、今年も同じものをする」
上記のような考えで研修内容を選んでいるとしたら、それはもったいないことです。研修内容だけではなく、効果測定についてもしっかり考えることがおすすめです。
そうすることで、上司には「研修をした結果、このような効果があった」と具体的に報告できますし、参加者の満足度が上がり会社の雰囲気もよくなることでしょう。
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研修の効果測定に大切なこと2つ
- 研修の目的とゴールを明確にしたうえで研修内容を考える
- 会社側と社員側それぞれの求めていることを理解する
それぞれ解説していきます。
1.研修の目的とゴールを明確にしたうえで研修内容を考える
研修内容を考える時は、目的とゴールを明確にすることが大切です。
「なんのために研修をするのか」
「研修を行った結果どうなりたいか」
上記の2点をしっかり決めておかないと、研修の効果測定をする意味がなくなってしまいます。
研修の目的とゴールを定め、目指した効果が出ているかを測定し、今後に繋げていきましょう。
2.会社側と社員側それぞれの求めていることを理解する
会社経営者側と研修を受ける社員側のそれぞれが求めていることを明確にし、理解することが大切です。なぜなら、会社側と社員側の求めていることは異なるからです。
会社側は研修を行うことにより、どのような効果が出たか、かけた費用に見合う結果が得られたかを重視します。
一方、社員側は研修によって、自分がスキルアップできるかを求めていることが多いでしょう。時間を割いて参加するのですから、それに見合ったものを得たいと感じています。
会社側と社員側の研修目的とゴールを明確にし、双方が求めるものに近い内容を選ぶことが大切です。それと同時に、研修の目的やゴールを参加者に伝えることも忘れないようにしましょう。
研修の効果測定の流れ4ステップ
- 計画
- 測定
- 分析
- 検討
ひとつずつポイントを整理していきましょう。
1.計画
計画は、最も重要な部分です。
上司と相談し、研修の目的やゴールを明確にしましょう。場合によっては、参加予定者にヒアリングすることも大切です。そして、研修内容や効果測定の方法を決めていきます。
効果測定の方法は、以下の通りです。
- いつ
- 誰が
- 誰に対して
- どのような形で
上記を明確にしておきましょう。
2.測定
計画の段階で決めておいた方法を使って、効果測定をしていきます。
研修の実施から、効果測定まで期間が開いてしまう場合は、測定のし忘れに注意してください。
3.分析
測定結果をもとに、今回の研修の効果はどのようなものだったかをまとめます。
目的に合った内容を実施できたか、ゴールに到達できたかを見ていきます。さらに、実際に測定してみて、測定方法にやりにくさやわかりにくさはなかったかなども確認しましょう。
4.検討
分析結果をふまえて、今後の研修はどのように実施するのかを考えます。この提案を添えて、上司に研修における効果測定の結果を報告するといいでしょう。
もし、思うような効果が出なかった場合は、より目的やゴールに合った研修はないか探してみることをおすすめします。
知っておきたい研修の効果測定に使える評価指標
研修内容が決まったら、効果測定をどのように行うのかも決めることが必要です。
そこで使える研修の効果測定の評価指標をご紹介します。それは、「カークパトリック新4段階評価」です。
ひとつずつ解説していきます。
レベル1:反応
まず、レベル1は「反応」です。
参加者の研修に対する反応、つまり、研修に満足したかという満足度です。
- 仕事に活かせると感じられるような内容だったか
- 積極的に参加しようと思えるような内容だったか
主に、上記を評価します。
レベル2:学習
レベル2は「学習」したことによる変化を見ます。
- 知識を習得できたか
- 知識は今すぐ使えると思うか
- 積極的に仕事で活かそうと思うか
上記のような内容から評価します。
レベル3:行動
レベル3は、研修終了後、社員はどのように「行動」したかです。
研修で学んだことを、仕事にどう活かせているのか、何をどのように取り入れたかを評価します。
レベル4:結果
レベル4は研修したことにより、どのような「結果」が生まれたのかの評価です。
研修内容を決めた時に設定したゴールに到達できているかどうかを見ます。さらに、研修したことで仕事に良い影響が出ているかも見ていくことが必要です。
レベル1からご紹介していますが、研修内容を決める時に意識すべきなのはレベル3と4であるといわれています。
つまり、「参加者の満足度が高くなるような研修をしよう」「業務に役立つ知識が得られるようにしよう」などのような、レベル1・2の内容を重視する必要はないということです。
「研修をすることで、このような結果を得たいからこの研修にしよう」というゴールを意識して、研修内容を考えるようにしてください。
研修のゴールが、参加者の満足度や知識を習得することではないことを理解しましょう。あくまでもゴールは研修が業務に良い影響を与え、業績がアップすることです。
評価指標をふまえた研修の効果測定の方法
では、カークパトリック新4段階評価をふまえ、具体的にどのような効果測定をするのかをご紹介します。
主なポイントは以下の通りです。
- いつ
- 誰が
- 誰に対して
- どのような形で
これは、研修内容を決める際にあわせて考えておきましょう。そして、「このような方法で効果測定をする」と周知しておくことも必要です。
周知しておくことで、参加者側もより意識して研修に取り組みやすくなるでしょう。では、評価指標のレベル別に具体的な方法やポイントを解説していきます。
レベル1:アンケート
レベル1の評価はアンケートが適しています。
研修直後、3ヶ月後、6ヶ月後など、期間をあけて行うことがおすすめです。なぜなら、研修後から時間を置くことで行動や意識の変化がよりわかりやすくなるからです。
アンケートは参加者に用紙などへ記入してもらって担当者が回収する方法と、Googleフォームなどネット上で回答を集める方法があります。
研修直後であれば、アンケートを記入する時間を最後に設け、用紙に記入してもらうほうが確実に回答を得やすいでしょう。
研修からアンケートまで時間が開く場合には、ネット上で入力・送信してもらうほうがおすすめです。参加者側も業務の合間に回答できますし、配布や回収の手間も省けます。集計も簡単にできるためベストな方法でしょう。
自社状況に合わせた方法で、アンケートを実施してください。
レベル2:理解度テスト
レベル2の評価は研修後にテストを行うことで、参加者一人ひとりの理解度を把握できます。
参加者が研修後にテストをすると知れば、より意欲的に研修に取り組むといえるでしょう。もし、専門的な知識を要する業務なら特に効果的です。
理解度テストを行うのは、研修直後でもいいですし、少し時間を置いて復習の時間を取るのもいいでしょう。
レベル3:行動観察やヒアリング
レベル3は、研修によって社員の行動量がどのように変化するかを確認します。とくに、研修内容を考える際に「現状どのような状況であるか」「どのような問題があるか」を把握しておくことがポイントです。
数値化しておくとわかりやすいですが、行動量数字で示すことは難しい場合もあります。必要に応じて、数値化する業務が得意な方が担当したり、外部会社に委託したりすることがおすすめです。
問題点がどこにあり、どのようになったら改善といえるのか、できるだけ明確にしておく必要があります。
参加者本人や参加者の上司にヒアリングするのもいいでしょう。仕事に対する姿勢や行動に変化があったかを確認します。
明確な問題点があった場合は、問題解消に向かっているかも大切な評価ポイントです。
レベル4:業務への貢献度をはかる
研修が業務にどのくらい貢献したのかを評価します。
これは、具体的な数値を見るといいでしょう。売り上げや成約率、仕事の効率化、経費削減など、設定したゴールに近づいているかをチェックします。
到達に向かっていい影響が出ているのか、それとも変化が見られないのかを分析しましょう。
そして、分析の結果をふまえて「なぜ効果が出たのか」「なぜ変化がなかったのか」を考え、今後の研修に活かしていきましょう。
研修の効果測定の導入具体例3つ
ここまで解説してきたように、カークパトリック新4段階評価の4段階すべてを取り入れて効果測定を行うことが理想です。
しかし、上記でご紹介した内容をすべて実践することは、現実的に厳しい場合もあるでしょう。また、研修や効果測定を行う目的によっては、4段階すべてを意識しなくてもいい場合もあります。
効果測定の導入具体例を3つご紹介しますので、参考にしてください。
1.営業部向けの研修を行いたい
- 研修の目的:営業部の社員のスキルアップ
- 研修のゴール:営業成績のアップ
まずは、わかりやすい導入例をご紹介します。
とある企業で、営業部向けの「営業戦略研修」を行うことになりました。なかなか営業成績が上がらないので、研修の実施が決まったのです。
具体的には、以下のような効果測定を行いました。
- レベル1 研修の満足度をアンケートで調査する。
- レベル2 習った知識を使って、実際にワークをしてみる。
- レベル3 上司が営業に同行して実践できているか見る。
- レベル4 営業成績の変化を見る。
実際は、複雑かつさまざまな要素があります。そのため、「研修が営業成績の変化につながった」と言い切れない部分が出てくるかもしれませんが、参考になるはずです。
2.毎年新入社員向けに行っている研修の効果を知りたい
効果測定が目的になるケースもあります。例えば下記の研修です。
- 研修の目的:新入社員がビジネスマナーを身につけるため
- 研修のゴール:先輩社員の教える回数が減る
新入社員に基本的なビジネスマナーを身につけてもらう研修を毎年行っているとします。基本的な部分を身につけてもらうことで、現場で教える負担を減らそうというねらいです。
しかし、研修で習ったことを忘れてしまうことが多く、現場の負担が改善しないという問題がありました。
そこで効果測定をして、研修の問題点を分析することになったのです。
この場合、必要となるのはレベル1~3です。研修に参加した新入社員にアンケートや理解度テストを行うことで、問題点を知るきっかけにできます。さらに、先輩社員や上司にもヒアリングを行い、行動の変化を確認してみるといいでしょう。
その結果をふまえて、研修をどのように行うと効果的なのかを考えることができます。
3.臨時でおこなわれた研修の効果を上層部に報告したい
上層部に報告するために効果測定をするケースもあるでしょう。
上層部への報告となると、レベル4の「どのような効果が出たか」の報告が重要であると考える方が多いと思います。確かに、会社側が最も知りたいのはレベル4の部分でしょう。
しかし、場合によってはレベル1や2の効果測定の効果を報告したほうが良い場合もあります。なぜなら、研修を実施してどうだったかをすぐ知りたいと思っていることがあるからです。
上司に「いつまでにどの程度の報告が必要か」を確認しておくことがおすすめです。
あそぶ社員研修(研修テーマ例・内容)
「あそぶ社員研修」は、アクティビティと専門講師による講義、ワーク、振り返り・解説を一体化させることで、座学・実践を通じて研修の内容を深く理解し、翌日から業務で活用する具体的な方法まで学べる研修プログラムです。
1.コミュニケーション研修
「コミュニケーション研修」は、アクティビティ「謎解き脱出ゲーム」を活用して主体性や没入感を高め、振り返りや講義で伝える力・聞く力などのコミュニケーションスキルを習得することができる研修プログラムです。
謎解き脱出ゲームは、受講者が物語の主人公となり、チームで協力して謎を解いて脱出することを目指すアクティビティです。限られた時間のなかで脱出を達成するには、チームで情報共有や役割分担をして、協力して取り組むことが必須となります。また、チーム内でリーダーシップを発揮する人、リーダーをフォローして円滑に進められるようにコントロールする人、謎解きで活躍する人などが必要となり、さまざまなスキルも求められます。
また、チームごとにコミュニケーションが促進され、全体として共通する目標に向かって取り組むためチームビルディング効果が高いことも特徴です。謎解き脱出ゲームのプランは、少人数のチームで行うものから全員参加のものまでさまざまで、目的や課題に応じて適切なアクティビティを実施することができます。
研修時間の目安
- アクティビティ「謎解き脱出ゲーム」:2時間程度
- 振り返り・講義・ワーク:3時間程度
- まとめ:1時間程度
2.ロジカルシンキング研修
「ロジカルシンキング研修」は、小グループと大グループで協力し、たった1つの正解を導き出すアクティビティ「リアル探偵チームビルディング」を活用してロジカルシンキングについて体験を通じて学び、講義で深く理解することを促す研修プログラムです。
リアル探偵チームビルディングは、ジグソー法を取り入れたアクティビティで、小グループと大グループを行き来し、論理的に推理していくアクティビティです。推理を進めていくなかで論理的思考が必須となり、主体的に集中して取り組むことができます。
リアル探偵チームビルディングの流れとしては、まず大グループのなかに複数の小グループがある状態で、それぞれの小グループに異なる情報が割り当てられます。まず対処法について小グループで考えたあとに、大グループで情報を共有したうえで、すべての小グループに同じ情報がもつ状態で改めて小グループで情報の分析・仮説立て・話し合いを行います。そして、最終的に大グループで1つの答えを決めます。
小グループでは確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分け、大グループでは小グループで整理した情報をもとに論理的に考えて端的に判断・共有すること、不足している情報を聞き出すことが求められます。そのため、推理ゲームのプロセスを通じて、論理的思考力が養われます。また、講義を通じて、アクティビティで得た学びも深く理解し、業務などで実践することができるようになります。
研修時間の目安
- アクティビティ「リアル探偵チームビルディング」:2時間程度
- 振り返り・講義・ワーク:4時間程度
- まとめ:1時間程度
3.PDCA研修
「PDCA研修」は、ロケット製作をシミュレーションする過程でPDCAを回すアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」と振り返り・講義を組み合わせ、PDCAについて深く理解できる研修プログラムです。
ロケットPDCAチャレンジでは、パーツを組み合わせてロケットを製作し、打ち上げ結果から原因を考えて改善しながら目標達成を目指します。1ターンの間にロケット部品の購入、部品のテスト、ロケットの打ち上げ予約・打ち上げテスト、資金稼ぎを行うため、実際のロケット打ち上げにおけるPDCAを体験できます。
ロケットを打ち上げるまでのプロセスでは、組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、組み合わせの精度を上げていく必要があります。検討する要素が多く、チームで協力して取り組むことで、チームビルディング効果が高いことも特徴です。
研修時間の目安
- アクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」:2時間程度
- 振り返り・講義・ワーク:3時間程度
- まとめ:1時間程度
4.ビジネスマナー研修
「ビジネスマナー研修」は、チームで協力して取り組み、楽しく安心してアウトプットができるアクティビティ「ビジトレ」を活用し、ビジネスマナーに対する関心や理解度を高め、振り返りや講義を通じてより深く理解することができる研修プログラムです。
ビジネスマナー研修では、「お辞儀・身だしなみ・訪問」、「敬語」、「名刺交換」、「メール添削」、「電話応対」、「議事録の取り方」、「指示の受け方」、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」などの基礎的なビジネスマナーを学び、知識やスキルを習得することができます。ビジネスパーソンの必須スキルであるビジネスマナーを楽しく学ぶことができるため、内定者研修や新入社員研修などの若手社員を対象とした研修に適しています。
ビジネスマナー研修では、1コマあたり15分程度でアクティビティを行ったあとに、40分程度の講義・ワークを行います。ビジネスマナー研修は4コマ以上となります。
研修時間の目安
- アクティビティ・講義・グループワーク:計4時間程度(1コマ1時間程度)
5.クリティカルシンキング研修
「クリティカルシンキング研修」は、チームで協力して事件の真相にたどりつくことを目的とした推理ゲームのアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」を活用し、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングを学べる研修プログラムです。
混乱する捜査会議からの脱出では、チームで協力して証拠品や証言などを整理、分析、共有していきます。それらの情報を手分けして読み取り、組み合わせて論理的に結論を導き出す必要があります。また、フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になり、情報を取捨選択する必要もあるため、ロジカルシンキングが養われます。
また、出た結論に満足せず、新しい情報と照らし合わせ、再検証していくことが求められます。推理の終盤で違和感に気づき、考え得る仮説を出して検証を行うプロセスで、クリティカルシンキングについて体験を通じて学ぶこともできます。
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研修時間の目安
- アクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」:2時間程度
- 振り返り・講義・ワーク:2時間程度
- まとめ:1時間程度
まとめ
研修の効果測定をする理由や重要性、評価指標を紹介してきました。
効果的な研修をするためにも、効果測定は重要です。そして、目的やゴールを明確にすることも大切です。
具体例を参考にカークパトリック新4段階評価を取り入れて、目的に応じた研修の効果測定を検討してみてください。
「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。
アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。
研修やチームビルディングイベントの企画にお悩みの方必見!「ビジネスゲーム研修 総合資料」では、謎解き、推理ゲーム、サバイバルゲームなどを活用したユニークな研修を事例とともにご紹介しています。
目次
鹿児島県離島在住ライター。校正・校閲・編集・取材・撮影など幅広く対応。温泉旅館や割烹料理屋スタッフ、金融系OLなどの社会人経験を活かしつつ主にBtoBで執筆中。