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コンセンサスゲームとは?解決できる課題・メリット・ゲーム8選を紹介


目次
ビジネスシーンや実生活における決めごとをする際に、一人でも反対意見を持つ人がいると、決定された事項であるにもかかわらずスムーズに進んでいかないことがあります。それを防ぐためには、全員が合意した状態を目指すことが重要です。
コンセンサスゲームはグループ内でコンセンサス(意見の一致)を得ることの難しさと大切さやそのプロセスについて体験を通じて学ぶことが出来るゲームです。
本記事では、コンセンサスゲームの概要、解決できる課題、目的やメリット、流れ・進め方、おすすめのゲーム8選を紹介します。
コンセンサスゲームとは
コンセンサスゲームは、グループの意見を一致させるコミュニケーションのプロセス(合意形成)を体験できるゲームです。
ある危機的な状況を仮定して、その事態に対してどのようにすれば危機を乗り越えられるかについて、まずは個人で考え、続いてグループで議論・相談をしながら答えを出すことで、合意形成を体験することができます。
コンセンサスゲームでは、多くの場合、自身で考えた答えよりも、合意形成を得た解答のほうが正解(専門家の解答)に近づきます。自分の意見を押し通したり、相手の意見をうのみにしたり、多数決に頼って決めたりするのではなく、相手の意見をきちんと聞いたり、目的や優先順位を整理したりすることの大切さを実感できることが特徴です。
「合意形成・アサーティブコミュニケーション研修」は、コンセンサスゲームと講義を組み合わせ、お互いを尊重するコミュニケーションスキルや合意形成(グループの意見を一致させる)の方法を学び、翌日から業務で活用できる研修プログラムです。
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コンセンサスゲームの概要をさらに詳しく知りたい方は、こちらの動画もぜひご覧ください。
コンセンサスゲームで解決できる課題
以下のような課題を持つ方は、コンセンサスゲームを実施することで課題解決につながる可能性があります。
若手社員の主体的な発言を増やしたい
- ビジネスコミュニケーションの意味や必要性を理解していない新入社員や若手社員に、必要性を理解してもらい、主体的に発言するなど、チームに参加・貢献してほしい
なぜ解決できるのか?
ゲームの中で多様な意見が多く出ることで解答の質が高まるので、自身の発言自体に価値があることに気づくことができます。
管理職の部下とのコミュニケーションを改善したい
- 管理職・リーダーが上意下達型のコミュニケーションスタイルを取っており、部下たちのモチベーションを引き出せていない
なぜ解決できるのか?
コンセンサスゲームはフラットな状態で行われるため、部下の意見の方が解答として正しいことも多く、必ずしも自分の意見を突き通すことが成果につながるわけではないことを実感できます。
チームの結束力を上げたい
- チームの中で価値観を開示し合い、より深いコミュニケーションを取ることでチームにおける一体感を醸成したい
なぜ解決できるのか?
それぞれの解答の背景にある価値観や思考の傾向を相互で理解するために、選択した理由を話し合うことで、どのような思考や思いを持って結論を出したかをお互いに知ることができます。
会議で結論が出ない
- 会議で発言が出なかったり、一部の社員が意見を発散するだけになったりして結論を出すことができていない
なぜ解決できるのか?
会議のなかで、目的や優先順位を明確にすることではじめて結論を導き出せることを実感できます。
コンセンサスゲームを行う目的
コンセンサスゲームを行う目的は、「合意形成におけるコミュニケーションのプロセスを体験すること」です。
合意形成におけるコミュニケーションのプロセスを体験し、その具体的な方法や重要性を学ぶことで、多様な価値観があることを知ること、その中で合意を取る重要性を学ぶことを目的としています。
コンセンサスゲームを実施する5つのメリット
コンセンサスゲームを実施することで得られるメリットは5つあります。
以下で詳しく紹介します。
1.他者を理解することができる
人にはそれぞれの考え方や価値観があり、置かれている環境も異なります。参加者同士で議論を行うことによって、考え方や価値観に違いがあることを理解することで、自分の意見だけで決めつけることが少なくなります。
そのようになることで、参加者がグループのなかで円滑にコミュニケーションを取れたり、取引先の都合を想像できるようになったりして、ビジネスパーソンとしての成長につながります。
2.自分の意見の伝え方・他者の意見の聞き方が学べる
そもそも、自分の意見を相手に正しく理解してもらうのは難しいことです。相手の意見を正しく理解したうえでわかりやすく説明したり、聞く姿勢を持ったりすることが必要となります。
コンセンサスゲームでは、グループとしての答えを出す必要があるため、自分の意見を理解してもらい、他者の意見を理解することを実践的に身につけられます。
3.ファシリテーションスキルが身につく
コンセンサスゲームを行う際には、限られた時間のなかで全員が合意する必要があります。そのためには時間管理や議論の方向性を正しく調整するためのファシリテーションスキルが重要となります。
議論を進めていくなかで目的や優先順位に何度も立ち返り、多様な意見を出しきることで正解に近づくことを実感できます。
4.コミュニケーションが活性化する
コンセンサスゲームを通じて互いの意見や価値観に触れたり、違いや共通点を確認したりする経験ができるため、コミュニケーションを活性化させることにつながります。
また、初対面の参加者との関係性を構築する機会にもなり、その後のコミュニケーションを活性化させられます。
5.複数人で楽しみながら遊べる
コンセンサスゲームは、楽しくコミュニケーションが取れるゲームです。グループでコミュニケーションを取ること対して楽しさを感じられ、前向きになることで、組織における成果向上や個人の満足度向上につながります。
コンセンサスゲームの流れ・進め方
ここからは、コンセンサスゲームを実施する際の流れ・進め方を解説します。
ファシリテーターによるゲーム説明
ゲームの大まかな流れは以下の通りです。
- ある状況下で事件や事故が起こったと仮定します。
- その状況下で、生存確率を上げるために、目の前にある物品(10~15個程度)から優先順位を1位から最下位まで決めます。
- まず個人で順位と理由を考え、その後、グループで各々の解答を持ち寄って、合意形成を得てグループの解答を決めます。
- 専門家の模範解答とグループの解答を照らし合わせ、誤差の少ないグループが勝利となります。
ファシリテーター(進行役)がゲーム説明を行いますが、参加者が説明を正しく理解し、コンセンサスゲームの効果を高めるための重要な役割を担います。
ゲームがスタートしたらファシリテーターは見守る
ゲームがスタートしたら、ファシリテーターは基本的には口出しをしません。グループ内で議論を行ってもらいます。ただし、コンセンサスゲームのルールから逸脱していたり、円滑に議論を行えていなかったりするグループがある場合にフォローするのは問題ありません。
「相手の意見を否定する人」、「相手を論破するような発言をする人」などがいる場合には、ファシリテーターが注意をする必要があります。合意形成を得られるようにファシリテーターがフォローすることが重要です。
ファシリテーターは各グループを巡回し、議論がどのように進められているかを確認しましょう。グループの数が多く、一人で各グループを回るのが難しい場合は、代わりに巡回するアドバイザー役の人を決めておくとよいでしょう。
参加者の質問にはアドバイザー役の人が答える
ファシリテーターの他に、参加者からの質問に答えるアドバイザー役の人もいるとなお良いです。ファシリテーターはゲームの進行に関わる役割を担うため、質問に答えることまで行うことが難しい場合があります。コンセンサスゲームを行う際には、ファシリテーターとアドバイザー役の人が連携することで、より質の高い運営を行うことが出来ます。
運営が答えを発表し、各グループに確かめてもらう
すべてのグループの解答が出たら、ファシリテーターが模範解答を発表し、解説も合わせて行います。基本的にはゲーム内容の専門家にあたる人が模範解答を作成しています。
参加者はファシリテーターの解説を聞きながら自分たちの解答と模範解答を見比べます。コンセンサスゲームでは基本的に議論を行うことで正解に近づくことが多いですが、模範解答から大きく異なる解答に至った場合には、なぜ模範解答と異なる解答になったのかをグループで話し合いましょう。
また、コンセンサスゲームはあくまである状況下においての模範解答であるため、状況が変われば最適解は変わります。結果に一喜一憂するのでなく、その後の振り返りをしっかり行い、合意形成において重要なポイントは何かをしっかり学びとることが重要です。
振り返りを行う
最後に振り返りを行います。グループごとにそれぞれ合意形成にいたるコミュニケーションの良かった点や改善点を考え、実生活やビジネスの中でよりよい合意形成への導き方を考えていきます。
ファシリテーターは、各グループに対してフィードバックを行った方がより深い振り返りができますので、議論内容を確認しておく必要があります。どのような発言・言動がよかったのかを具体的に参加者全員に向けて伝えましょう。
合意形成を学べるコンセンサスゲーム4選
ここからは、4つのコンセンサスゲームについて、どのようなゲーム内容なのかも含めて簡単に紹介します。
1.ジャングルサバイバル
ジャングルサバイバルは、遭難したジャングルから脱出するために必要な物資を選び取るコンセンサスゲームです。
熱帯の過酷な環境では、判断の一つひとつが生死を左右します。未知の自然環境で生き延びるために、どの物資を優先するべきかをグループで議論し、合意形成することがポイントです。
著名な探検家監修のもと、実際に役立つサバイバル知識を体験しながら学べます。非日常の世界観のなか、価値観や考え方の違いを共有することで、チームのコミュニケーションを深めることができます。
※ジャングルサバイバルは対面・オンラインのどちらでも実施することができます。
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2.たどり着け!帰宅困難サバイバル
たどり着け!帰宅困難サバイバルは、都市直下型地震を想定したコンセンサスゲームです。
崩壊した都市の中で、安全に帰宅するためにはどの物資を持ち歩き、どう行動するかの判断が必要となります。限られた情報と時間の中で最適解を導き出すためには、個人の知識だけでなく、チームでの合意形成が重要です。
防災士監修のシナリオをもとに、実際に役立つ都市型防災の知識が身につきます。防災研修やリスクマネジメント教育としても活用できる、現実味のあるプランです。
※たどり着け!帰宅困難サバイバルは対面・オンラインのどちらでも実施することができます。
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3.ゾンビパンデミック
ゾンビパンデミックは、ゾンビの襲来を想定したパニックサバイバルを体験するコンセンサスゲームです。
ショッピングセンターに取り残された参加者たちは、次々に迫るゾンビから生き延びるために、限られたアイテムの中から必要なものを選択し、脱出ルートを模索します。
近畿大学ゾンビ研究所監修のユニークなシナリオで、ありえそうでありえない極限状況を楽しみながら、合意形成やコミュニケーションの重要性を学べます。非日常感の強いエンタメ要素があり、研修だけでなく社内イベントにも最適です。
※ゾンビパンデミックは対面・オンラインのどちらでも実施することができます。
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4.NASAゲーム
NASAゲームは、NASAがつくった問題に対する解答を考えるコンセンサスゲームです。極限状態の宇宙ではわずかなミスが命に関わります。その極限状態のなかにあっても、いかにして安全に問題解決をすることがNASAゲームのポイントの1つです。
NASAゲームはカスタマイズが可能で、振り返りではNASAが宇宙飛行士たちに教えている内容に沿った模範解答を説明します。
NASAゲームの特徴としては、まったく知らない宇宙飛行士の世界で起こる極限状態のなかで、生存に必要なアイテムを選択することが求められる点が挙げられます。参加者の多くはほとんど知識がない状態でゲームを行います。
NASAゲームを行う際に重要なことは、自分の意見をグループ内のメンバーに理解してもらうための根拠をうまく伝えることです。知識がないなかでも知っていることを思い起こしながら想像力を働かせ、明確な根拠を考え出す必要があります。
詳しくは以下の記事でも紹介しています。
関連記事:本家NASAゲームで合意形成のプロセスを学ぼう! | ビジネスゲーム研修.com
その他、コミュニケーション能力を向上させるゲーム4選
謎解き脱出ゲーム
謎解き脱出ゲームは、制限時間内に仲間と協力して謎を解き、ある空間から脱出する体験型ゲームです。参加者同士が自然に声を掛け合い、情報共有や役割分担を行うことで、コミュニケーション力とチームワークを高められます。研修や懇親会のアイスブレイクにも最適です。
ロケットPDCAチャレンジ
ロケットPDCAチャレンジは、ロケット発射の成功を目指す体験型ゲームです。ロケットを制作する過程で、計画(Plan)から実行(Do)、振り返り(Check)、改善(Action)までのサイクルを繰り返し体感し、PDCAの重要性を学びます。チームビルディングにも効果的です。
ワールドリーダーズ
ワールドリーダーズは、与えられた労働力や資本を使ってさまざまなアクションを起こし、利益を拡大させていくビジネスゲームです。他グループとの駆け引きや同盟、戦略的な意思決定を通じて、交渉力・戦略的思考力を育成します。
混乱する捜査会議からの脱出
混乱する捜査会議からの脱出は、推理ゲームを通じてクリティカルシンキングを学ぶことができるビジネスゲームです。さまざまな証拠品や証言を整理・分析・共有し、論理展開や仮説思考を駆使することでクリティカルシンキングを実践的に学べます。
まとめ
コンセンサスゲームを実施することで、合意形成のプロセスや重要性を学ぶことによってチームビルディングやコミュニケーション活性化などにつながります。
コンセンサスゲームを実施する際には、ファシリテーターがサポート役として重要な役割を担います。
株式会社IKUSAは、コンセンサスゲームなどのサービスを提供し、年間1400件以上の企業・自治体・商業施設などのイベントを実施しています。
コンセンサスゲームの企画、ファシリテーターやサポートスタッフによる運営サポート、振り返りなどをワンストップで行うことが可能ですので、チームビルディングや社内コミュニケーションに関する課題解決などにお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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振り返り時には、ゲームの中でどんな発言が議論を推進させたり、停滞させたりしていたか。目的や優先順位の話はできていたか。全員の意見を出し切ってから結論を導けていたかといった観点で振り返りを行うとより深い学びを得ることが出来ます。またどの観点に重点を置くかで、学び取れる内容も変わってきますので、研修として実施する際は、目的と照らし合わせてどのような振り返りを行うかが非常に重要なポイントとなります。