- ビジネスゲーム
- チームビルディング
コンセンサスゲームのお題・問題集!回答のポイントを解説
目次
コンセンサスゲームはチームで協力して議論をしながら、全員一致の合意を形成し、結論を出すゲームです。ビジネスシーンでは合意形成をすべき事柄が多くあり、建設的な議論ができる関係性やスキルを身に付けておくことが大切であるため、さまざまな企業がコンセンサスゲームに着目しています。
本記事では、コンセンサスゲームの基本的なやり方、コンセンサスゲームの種類、一部のゲームの回答のポイントや模範解答、さらにおすすめのコンセンサスゲームを紹介しています。
アクティビティ・振り返り・専門講師が行う講義をブリッジし、受講者の主体性・学びを高める「あそぶ社員研修」とは?
⇒無料で資料を受け取る
研修にビジネスゲームを取り入れてチームビルディング。「ビジネスゲーム研修 総合資料」を無料で配布中
⇒無料で資料を受け取る
研修の満足度向上を実現する「研修お役立ち情報」とは?
⇒解説資料のダウンロードはこちらから
コンセンサスゲームとは
コンセンサスゲームは、合意形成のプロセスからさまざまなことを学び、スキルを身に付けるアクティビティです。
まず物語の設定を理解し、その状況を打開するために必要なお題についてチーム全員で協力をして、チームで1つの結論を導き出します。
チーム内の意見は食い違いが起こるものですが、根拠を示しながらロジカルに意見を述べ、 互いの主張を聞くことが大切です。そのうえで、反対意見を言ったり、異なる意見を集約したりして、全員が納得できる妥協点を探ります。議論をせず、多数決で決めるということはコンセンサスゲームにおいてはNG。この議論のプロセスがコンセンサスゲームの醍醐味であるだけでなく、ロジカルシンキングや議論する力、リーダーシップやフォロワーシップ、他者への気遣いなどを学ぶことができます。
コンセンサスゲームの問題①砂漠からの脱出
まずは脱出型コンセンサスゲーム「砂漠からの脱出」の問題や回答のポイント、模範解答をお伝えします。
問題
砂漠に不時着した飛行機に乗っていた乗客たちが、生き残るために飛行機にあった12のアイテムを駆使し、近くの街までたどり着くことを目指すゲームです。不時着はあまりに突然に起きた出来事だったので、今の時刻もわかりません。
わかっているのは、以下の3点です。
- 飛行プランから約100km外れてしまっている
- もっとも近い街は約110km南南西にある
- 不時着した地域の気温は43度、地表近くでは50度にもなる
使用できる12個のアイテムから、生き延びるために必要なものを選びます。
- 懐中電灯(乾電池が4つ入ってる)
- ガラス瓶に入っている食塩(1000錠)
- この地域の航空写真の地図
- 1人につき1リットルの水
- 大きいビニールの雨具
- 「食用に適する砂漠の動物」という本
- 磁石の羅針盤
- 1人1着の軽装コート
- 弾薬の装填されている45口径のピストル
- 化粧用の鏡
- 赤と白のパラシュート
- 約2リットルのウォッカ
回答のポイント
まず考えるべきは自力で街まで歩くか、その場で助けを待つのか、どちらを選択するか決めることです。飛行機が墜落した場合、短時間のうちに発見される確率は低くありません。近くの街まで110kmも歩くのはほぼ不可能に近く、動かずにその場で待っていたほうが助かる確率は高いといえます。
2つ目は短期で決着をつけるか、長期戦の覚悟を持つか、どちらかということです。現場は灼熱地域なので、長時間の待機に耐え得る環境ではありません。このため、短期決戦に臨むことが正解だといえます。
模範解答
コンセンサスゲームでは模範解答が用意されているゲームもあり、砂漠からの脱出もその一つです。このゲームにおけるアイテムの使用順序の正解は、次のとおりです。
- 化粧用の鏡:光を反射させて、遠隔まで届く救助信号となるため
- 軽装のコート:強烈な太陽光から皮膚を保護し、夜は寒さよけにもなるため
- 水:生きるために不可欠なものだが、救助されることが最優先
- 懐中電灯:夜に捜索隊に発見してもらう信号となるため
- 紅白のパラシュート:捜索隊の目印になるため
- 雨具:砂嵐からの防護用
- ピストル:動物に襲われたときの退治用、また音で捜索隊にアピールできるため
- 方位磁石:捜索隊に発見されるには、あまり必要ない
- 地図:捜索隊に発見されるには、あまり必要ない
- 食用の砂漠の動物に関する本:動物を捕まえると体力を消耗し、脱水症状も促進するため
- ウォッカ:余計にのどが渇くため
- 食塩:血中濃度を高めて脱水症状を促進するため
上記の模範解答に近いかどうかをもって、複数のチーム間で順序づけが可能です。
研修の企画にお困りですか? IKUSAの研修なら楽しくチームビルディングができます!
⇒IKUSAの研修資料を見てみたい
コンセンサスゲームの問題②雪山での遭難
次は脱出系コンセンサスゲームの雪山での遭難について、問題の内容や回答のポイント、模範解答をお伝えします。
問題
雪山に遭難したスキー客の設定で、アイテムを使いながら、近くの街まで脱出を目指します。墜落地点と一番近い街の距離は32キロであり、夜は気温がマイナス40度にまで下がることもある地域です。生き残るため、10個のアイテムに使用順序を決めていきます。
10個のアイテムは以下のものです。
- ライフル一丁(弾24発)
- 板チョコ10枚
- 固形油の入った金属缶
- スキーセット一式
- サバイバルナイフ
- 新聞紙朝刊5日分
- 大箱入りのマッチ
- 大型懐中電灯(電池入り)
- 方位磁針
- ウイスキーひと瓶
回答のポイント
雪山での遭難を攻略するには、まずストーリーをしっかりと読むことが大切です。なぜなら、ストーリー攻略のヒントが隠されているためです。問題文で重要だと思われる箇所にマーキングするよう、指示してもよいでしょう。問題文を読み込んだら、次は脱出の方法をみんなで話し合う必要があります。
考え得る手段は大きく「その場に待機し、救助を待つ」か「歩いて32キロ先の街に向かう」かの2つです。方向性の認識がずれていると議論が進まないので、まずはこの大筋のコンセンサスを取りましょう。
模範解答
アイテムの使用順序の模範解答は、次のとおりです。
- 大箱入りのマッチ:火は明かりにもなるので捜索隊へ知らせるきっかけとなる、また暖をとるためにも必要
- 板チョコ10枚:寒さをしのぐためのエネルギー源に適しているため
- 固形油が混入した金属缶:固形油を体に塗ると寒さを防ぐことができ、火をおこすための燃料としても使える
- 大型懐中電灯:捜索隊に存在を知らせる合図になるため※夜中の移動時にも便利だが、温度が低いため電池を消耗しやすいことには注意が必要
- 朝刊5日分:火をつける際に利用でき、服の下に入れると寒さを和らぐ効果をもたらすため
- ライフル:捜索隊に知らせる合図になるが、極限状態では殺し合いを誘発する可能性もある
- サバイバルナイフ:まきを切るくらいしか用途がなく、ライフルと同様、殺傷の道具にもなる
- スキーセット:早く移動できるようになるので助けを求める際に有効だが、雪山での移動は危険
- ウイスキー瓶:体が温まるといわれているが、眠気を誘発するので遭難時に飲むのは危険※ケガをしたときの消毒液としては利用できる
- 方位磁石:移動すべきではないので、まったく役に立たない
模範解答では「動かずに助けを待つ」が正解です。したがって、方位磁石の優先順位がもっとも低くなります。
コンセンサスゲームの問題③NASAゲーム
NASAが開発し、多くの企業研修でも取り入れられているNASAゲームについて、問題や回答のポイント、模範解答を紹介します。
問題
あなたは母船から300km離れた位置に不時着してしまった宇宙船の宇宙飛行士という設定です。宇宙船は衝撃で壊れてしまい、その場から動けませんが、残された15個のアイテムを駆使して、母船にたどり着くことを目指します。母船に到達するために、コンセンサスによってアイテムの使用順序を決めていきます。
15個のアイテムはこのようになっています。
- マッチ(箱付き)
- 宇宙食
- ナイロン製ロープ(15m)
- パラシュート
- ソーラー発電式携帯用ヒーター
- 45口径ピストル(2丁)
- 粉ミルク(1箱)
- 酸素ボンベ(2本)
- 月面用の星座表
- 自動で膨らむ救命ボート
- 方位磁石
- 水(20リットル)
- 照明弾
- 注射器入り救急箱
- ソーラー発電式FM送受信機
回答のポイント
チーム全員で合意形成を目指すので、多数決で決めてはいけません。反対意見や少数派に対しても即座に否定せず、まずは受け入れる姿勢を見せることが重要。ロジカルな議論を通して、妥協や改善によってみんなが納得いく結論を目指しましょう。
模範解答
NASAゲームにおけるアイテムの使用順序の模範解答は次のとおりです。
- 酸素ボンベ:月は酸素が存在しないので最優先
- 水:生き残るために最低限必要なもの
- 月からの星座図:現在地を確かめ、方向を決めるために必要
- 宇宙食:あった方がいいが、なくてもしばらくは生きていける
- ソーラー式FM送受信機:母船と通信できる可能性がある
- ロープ:起伏が激しい場所で必要
- 注射器が入った救急箱:注射器はどうでもよいが、救急箱は役に立つ可能性がある
- パラシュート:物を運ぶ際に役立つ可能性がある
- 救命ボート:何かを運ぶ際に必要
- 発火信号:視界が悪いときに必要
- ピストル:発射による振動を利用して推進が可能
- 粉ミルク:飲むには水を消費してしまう
- ポータブル暖房機:月の表面は熱いので、それほど必要ではない
- 磁石の羅針儀:月では利用できない
- マッチ:酸素がないため使用できない
おすすめのコンセンサスゲーム5選
回答のポイントや模範解答を示した3つのゲーム以外にも、コンセンサスゲームにはさまざまな種類があります。
ここでは、おすすめのコンセンサスゲームを5つご紹介します。
帰宅困難サバイバル
「帰宅困難サバイバル」はIKUSAが提供する、防災知識も得られるコンセンサスゲームです。首都直下型の地震が起きて帰宅困難の状況に陥ったという設定で、災害時の行動や対処法を合意形成によって決めていきます。対面とオンラインの両方で開催可能です。
帰宅困難サバイバルはイベントや研修の経験が豊富なプロのMCが司会進行を担当するので、盛り上がりが期待できます。また、とっつきにくいイメージがある防災知識を、楽しみながら得ることも可能です。
やり方
- 災害発生時のストーリー設定を聞き、理解する
- 与えられた状況下でどう行動するか、話し合って決定する
ジャングルサバイバル
「ジャングルサバイバル」はクルーズが不時着して辿り着いたジャングルの奥地から、近隣の街までの脱出を目指すゲームです。「帰宅困難サバイバル」同様IKUSAが提供しています。対面とオンラインの両方で開催可能です。
やり方
- 「クルージング中にジャングルに遭難した」という状況を把握する
- 生き延びるために船にある積み荷のうち、どれを優先的に持っていくかを個人で考える
- チームで話し合い、優先順位を決める
- 模範解答と照らし合わせ、それに近いほど高得点となる
運営・司会進行をイベント実績豊富なIKUSAが担当するので、没入感を得られるでしょう。プロのMCによる巧妙な進行と非現実感のあるシチュエーションによって、自然とテンションが上がるはずです。アイテムの数を減らせば研修の時間も短縮できるので、利用する企業の状況に応じて柔軟な対応が可能です。
コンセンサスゲームの資料ダウンロードはこちらZOMBI PANDEMIC
「ZOMBI PANDEMIC」は、「ゾンビパンデミック」は、ゾンビに襲われるという非現実的なシチュエーションで、全員が納得する結論を導きだす手法「合意形成(コンセンサス)」を学ぶゲーム型研修プログラムです。
生き延びるために与えられた物資に優先順位をつけ、グループで話し合いを行った上で最終順位をつけ、合意形成のプロセスを学ぶことができます。
生存者たち
「生存者たち」は、1972年に実際に起きたウルグアイ空軍機の遭難事故を再現したストーリーのコンセンサスゲームです。危機的な状況で生き残るためにはどうすべきか、緊迫感のなか、頭脳はクールに保ちつつ議論を進めていく必要があります。
残された食料で急場をしのぎながら救助を待っていますが、なかなか助けは現れません。負傷した隊員のなかには死亡してしまう者も出始めています。極限状態の中、リーダーのロベルトは次のように提案します。
「残念だがもうここには食料がない……。生き残るために死んだ仲間の体を食べるしかない!」さあ、みなさんはこの提案に同意し、適切な行動を取れるでしょうか。
ロベルトの言葉にどう応対するか、どのような行動を起こすべきかコンセンサスを目指してください。
無人島の出来事
物語はとある客船が嵐に遭い、乗客が2隻のボートに分かれて避難したところから始まります。1隻には若い女性・水夫・老人が、もう1隻には若い女性のフィアンセとフィアンセの親友が乗っています。若い女性のボートは無人島に漂着し、周囲を念入りに見回しても、フィアンセが乗っているボートは発見できませんでした。
少し離れた場所に同じような島があることを発見した女性は、水夫にその島に連れていってくれないか頼み込みます。水夫は「行ってもいいけど、自分と一晩、共に過ごしてほしい」と提案しました。
若い女性はこの提案を受けるか悩み、老人に相談したところ「私にはわからない。何を大切にすべきか自分で判断しなさい」と言われてしまいます。結局、女性は水夫の提案を呑み、次の朝、約束どおり近くの島までたどり着きました。その無人島にはフィアンセが立っており、カップルは感動の再会を果たします。
若い女性は迷いましたが、水夫と一晩を共にしたことをフィアンセに打ち明けました。そうしたところ、フィアンセは激怒し、女性を突き飛ばしてどこかへ行ってしまいます。途方に暮れる女性に、フィアンセの親友が近づき「悲しみが癒えるまで僕がそばに一緒にいてあげる」とささやきます。さあ、誰がもっとも許せないでしょう?
聖夜のケーキ店
聖夜のケーキ店はビジネスに近いシチュエーションのストーリーが特徴的なコンセンサスゲームです。クリスマスが近づいたある日、オーナーは店長と店員に対し「クリスマスは毎年ケーキを作りすぎて廃棄が大量に出ているから、今年は200個におさえてくれ」と命令を出します。
同時に「命令に従わなければ廃棄のケーキは買い取ってもらい、その費用を給料から天引きする」と言いました。しかし、店長は聞く耳を持たず、いつものように400個のケーキを作りました。結果はどうなったかというと、例年どおり大量の廃棄が出てしまいます。
宣言どおり、オーナーは店長と店員の給料から、余ったケーキ分の金額を差し引きました。店長は店員に対し謝罪し、天引きされた給料分の金額が入った封筒を渡します。
この物語において、悪いのは誰でしょうか。聖夜のケーキ店は上司と部下の関係性も意識した、ビジネス向けのコンセンサスゲームです。
あそぶ社員研修(研修テーマ例・内容)
「あそぶ社員研修」は、アクティビティと専門講師による講義、ワーク、振り返り・解説を一体化させることで、座学・実践を通じて研修の内容を深く理解し、翌日から業務で活用する具体的な方法まで学べる研修プログラムです。
例えば、PDCA研修ではロケットの制作・打ち上げに関するシミュレーションを行うアクティビティ「ロケットPDCA」を実施し、短時間のうちにPDCAサイクルを回すことを体験することで、講義・ワーク・振り返りなどによる学びを最大化させます。
⇒各研修の具体的な内容や学びのポイントがわかる「あそぶ社員研修 総合資料」を無料で受け取る
■研修テーマ・アクティビティの例
- コミュニケーション研修(謎解き脱出ゲーム)
- ロジカルシンキング研修(リアル探偵チームビルディング)
- クリティカルシンキング研修(混乱する捜査会議からの脱出)
- PDCA研修(ロケットPDCAチャレンジ)
- 合意形成・アサーティブコミュニケーション研修(コンセンサスゲーム)
まとめ
コンセンサスゲームにはいくつもの種類がありますが、共通するのは直感に頼らず、しっかりと議論をしたうえで、合理的な根拠のある結論を下すことです。模範解答が用意されているゲームもあり、論理的な思考力が回答に近づくためのポイントです。
一方で、模範解答が存在しない価値観系のコンセンサスゲームもあります。こちらでは正解はないので、チーム全員が納得いく結論を下せるよう、反対意見や少数派をないがしろにせず、議論や合意を重視して進めましょう。
「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。
アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。
研修やチームビルディングイベントの企画にお悩みの方必見!「ビジネスゲーム研修 総合資料」では、謎解き、推理ゲーム、サバイバルゲームなどを活用したユニークな研修を事例とともにご紹介しています。
目次
ビジネスゲーム研修.comでは、研修のお役立ち情報や、体験型研修の事例をご紹介しています。オンライン研修やチームビルディング研修をお探しの方は、ビジネスゲーム研修.comにお任せください。