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ビブリオバトルとは?ルール・用意するもの・研修に活用するメリットを解説

目次
ビブリオバトルは、参加者がそれぞれ自分の好きな本を紹介し、他の参加者が最も読みたくなった本(チャンプ本)に投票する書評ゲームです。
本の紹介をするだけではなく、議論や質疑応答を通じて、コミュニケーション能力や論理的思考力、主体性を実践的に訓練できる点が特徴です。教育の場や、企業の研修プログラムにも活用されています。
本記事では、ビブリオバトルの概要やルール、用意するものや実施する際のポイント、研修で活用するメリット、ビブリオバトルが適している研修について詳しく解説します。
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ビブリオバトルとは
ビブリオバトルは、京都大学大学院情報学研究科の谷口忠大教授が考案した、ゲーム感覚で行う「書評ゲーム」です。
具体的には、本の魅力を5分間で紹介し合い、「最も読みたくなった本」を投票で決定します。発表や質疑応答でコミュニケーション能力を鍛えながら、本を通じて他者の価値観や考え方を知ることができるため、教育現場や企業研修、図書館イベント・交流会などで広く活用されています。
ビブリオバトルが注目されている理由
近年、企業の研修や教育現場で「体験的な学び」が注目されています。
「体験的な学び」とは、「体験を通じた学び手自身の主体的な営み」と定義され、意欲的に学ぶ力や豊かな人間性・社会性を育むことを目的とした学習方法です。
さまざまな人との関わり合いや対話が、個人の考えを広げて、深い学びにつながるとされています。
ビブリオバトルは、読書や発表・議論を通じて、手軽に「体験的な学び」を実施できる方法として人気が高まっています。
参考:笹野仁美,海津ゆりえ(2022)『「体験的な学び」の変遷とその課題』(PDF)
ビブリオバトルのルール・進め方
ここでは、ビブリオバトルのルールと進め方を解説します。
1.本を1冊選んで持参する
各参加者は、自分が他の人におすすめしたい本を1冊選んで持参します。ジャンルや内容は自由で、ビジネス書、小説、エッセイなど何でも構いません。
2.ルール説明
進行役がルールを説明します。
3.順番に本を紹介する
参加者は、選んだ本の魅力を5分で紹介します。
本を紹介する際のコツ
- 本のあらすじや内容を簡潔に紹介する
- 本を読んだ感想や、なぜ他の人にも読んでほしいと思ったのかを伝える
- ビジネス書であれば仕事で役に立った点、小説であれば自分の行動に影響を与えた点など、具体的なエピソードを交える
4.質疑応答を行う
発表が終わったら、他の参加者が質問をします。質疑応答を通じて、本の内容やそこから学んだことについてさらに掘り下げることができるでしょう。
5.議論を行う
1人の発表が終わるごとに、参加者全員で発表内容について2分〜3分間議論します。
6.投票する
全員の発表が終わったら、参加者全員が1人1票「最も読んでみたい本」に投票します。
7.結果発表
最も多くの票を集めた人が優勝者となり、その人の選んだ本は「チャンプ本」と呼ばれます。
ビブリオバトルを実施する際に用意するもの
ビブリオバトルを実施するときに、用意するものを解説します。
1.紹介する本
参加者は、紹介したい本をそれぞれ1冊持参します。電子書籍の場合は、端末を使って紹介することも可能です。
2.タイマー
発表の時間を管理するために、タイマーを使用します。
3.投票用紙/Webアンケートツール
投票をする際に、投票用紙を使用します。オンラインで実施する場合はWebアンケートツールを活用すると便利です。
4.実施会場/Web会議ツール
対面で行う場合は、全員が顔を合わせられる会議室やフリースペースを用意します。オンライン開催なら、ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツールを使用しましょう。
ビブリオバトルを実施する際のポイント
ビブリオバトルを成功させるには、参加者が「自分の意見を伝えたい」「他の人の本も知りたい」と思えるような環境づくりが重要です。参加者の意欲を高めるための具体的なポイントを4つ紹介します。
1. 質疑応答を活発に行う
質疑応答の時間は、発表者と聞き手がお互いに意見を交換できる貴重な機会です。質問があると、発表者は「もっと伝えたい」と意欲が湧き、聞き手も「こんなことも聞いてみたい」と思いつくことが増え、やりとりが活発になります。
進行役は、聞き手が質問をしやすいように促し、発言がないときには自らも質問をしましょう。
2.発表に対してポジティブな意見を伝える
質疑応答や議論の際、ポジティブな意見が出ると、発表者は意欲的になります。他の参加者も発表をしやすくなるでしょう。
意見を言うときには、「このエピソードが興味深かった」「このような理由で本を読みたくなった」と具体的に伝えるとより効果的です。
3.テーマを設定する
本を自由に紹介する形式でも問題ありませんが、テーマを設けると、選書や発表がよりスムーズになります。テーマが明確だと、参加者も興味を持ちやすくなるでしょう。
【テーマの具体例】
- 「仕事に役立つ本」
- 「自分の人生を変えた本」
- 「誰かに贈りたい本」
- 「子どもの頃に読んだ本」
テーマを変えることで毎回異なる視点から本を選べるため、参加者の意欲が維持されます。
4.ゲーム性を高める工夫をする
ビブリオバトルはゲーム形式であるため、「最も読みたくなった本(チャンプ本)を決定する」という要素が重要です。投票で選ぶだけではなく、ゲーム性をより高める工夫をすると、参加者の意欲を一層引き出せます。
【ゲーム性を高める工夫の具体例】
- 投票の際に「なぜその本に投票したか」を共有する
- 事前に景品を用意して、チャンプ本を獲得した発表者に贈る
- 発表内容を評価する項目(例:「熱意」「説得力」など)をつくる
ゲーム性が高まることで、参加者は「次は自分もチャンプ本を狙いたい」と思いやすくなります。
ビブリオバトルを研修で活用するメリット
ビブリオバトルは、研修にも用いることができます。ビブリオバトルを研修に取り入れるメリットを解説します。
参加者が能動的に取り組むことができる
ビブリオバトルは、参加者が自ら紹介する本を選び、その魅力を伝えるための内容を考え、発表する必要があります。受け身の講義型研修とは異なり、主体的に発信する機会があるため、能動的な参加を促すことができます。聞き手も質問や投票に参加するため、双方向的な研修になります。
「伝える力」を実践的に鍛えられる
ビブリオバトルでは、本を紹介するだけではなく、ゲーム形式で「チャンプ本」を目指します。「どうしたら相手にわかりやすく伝えられるか」「どうすれば相手の心に響くのか」を楽しみながら考えて発表するため、「伝える力」を実践的に鍛えられます。
傾聴力や対話力を向上させられる
ビブリオバトルは、聞き手も発表を聞いて質問をしたり投票をしたりするため、他者の発言から意図を汲み取る必要があり、傾聴力が向上します。また、質疑応答をする過程で、建設的に意見をやりとりし、対話する力を鍛えることができます。
人間関係の円滑化やチームの結束力向上が期待できる
ビブリオバトルは、普段は見えにくいお互いの個性や価値観を、本を通じて知る機会になります。そのため、個人がスキルを伸ばすだけの研修にとどまらず、人間関係の円滑化やチームの結束力向上という効果も期待できます。
ビブリオバトルが適している研修の種類
ビブリオバトルは、コミュニケーション能力や論理的思考力、主体性、批判的思考力など、ビジネスシーンで必要な幅広いスキルを楽しく養うことができます。ここでは、ビブリオバトルが適している研修5選を紹介します。
1.新入社員研修研修
ビブリオバトルは、ゲームを通じてコミュニケーションを取ったり、お互いの価値観を知ったりできるため、新入社員研修に適しています。質疑応答や議論を通じて、新入社員同士のチームワークが向上するでしょう。
また本を選び発表する過程で自ら学ぶ姿勢が養われ、仕事に対する主体的な取り組みにつながる可能性があります。
【期待できる効果】
- チームビルディングの促進
- 自発的な学習姿勢の育成
2.コミュニケーション研修
ビブリオバトルでは、本の紹介を通じて、「相手に分かりやすく伝える力」を養います。また、紹介後の質疑応答では、他者の意見を聞きながら適切に返答する双方向的なコミュニケーションを体験できます。
伝える力や聞く力(傾聴力)、対話力を同時に鍛えることができるため、コミュニケーション研修に適しています。
【期待できる効果】
- 自分の意見を整理し、明確に伝える力の向上
- 他者の話をしっかりと聞き、共感や理解を深める力の向上
- 意見を建設的に交換する対話力の強化
3.ロジカルシンキング研修
ビブリオバトルでは、限られた時間内に本の魅力を伝える必要があります。「何を、どの順番で、どう伝えるか」を考えるため、情報の取捨選択や話の構成を論理的に組み立てるスキルが自然と磨かれます。
また、質疑応答の場面では、質問に対して論理的に根拠を示して回答する力も求められるため、論理的思考力を実践的に訓練できます。
【期待できる効果】
- 情報を整理し、簡潔かつ論理的に伝える力が向上
- 短い時間で要点を分かりやすく説明するスキルの向上
- 自分とは異なる考えに触れ、思い込みを取り除く機会の提供
4.クリティカルシンキング研修
ビブリオバトルの質疑応答の場では、他者の発表に対して「その本のどこが重要なのか」「自分にとってどう役立つのか」を考え、深掘りする力が求められます。そのため、物事を批判的に捉え、建設的に意見を発言する力を養うことができます。
また投票をする過程で、得た情報をもとに判断を下す経験を積むことができます。
【期待できる効果】
- 他者の意見を受け入れるだけではなく、深掘りして理解する力の向上
- 意思決定の場で、客観的な根拠を持って論理的に判断する力の向上
5.主体性研修
ビブリオバトルは、参加者が自ら本を選び、自分の言葉で本を紹介するというプロセスを通じて、主体的に行動する力を育てます。
また、発表者として話すだけでなく、聞き手として積極的に質問を投げかけることも重要な要素です。発表者が紹介した内容をしっかり理解し、自分なりの視点で質問をすることで、自分から会話をリードする力が養われます。
【期待できる効果】
- 自分の考えを主体的に発信する力の向上
- 集団のなかでリーダーシップを発揮する機会の創出
まとめ
ビブリオバトルは、コミュニケーション能力や論理的思考力、主体性、クリティカルシンキングなど、ビジネスの現場で必要なスキルを楽しみながら鍛えることができるゲームです。
ただの書評会にとどまらず、参加者同士の相互理解を深めることで、チームの結束力を強化する効果も期待できます。研修に取り入れれば、能動的な参加を促せるでしょう。この記事を参考に、ぜひビブリオバトルを実施してみてください。
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