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MECEとは?役立つフレームワーク・注意点を紹介
目次
MECEとは、論理的思考(ロジカルシンキング)の基本となる考え方です。MECEを活用することで、あるテーマにおける要素をモレ・ダブリがなく網羅することができます。
本記事では、MECE概要、関連する5つのフレームワーク、注意点について紹介します。
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MECEとは
MECEとは、Mutually(相互に)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体に)、Exhaustive(漏れなく)の頭文字をとった単語で、「漏れがない・ダブりがない考え方」を意味します。つまり、「相互に重複せず、全体に漏れがない」ということです。
MECEは、世界的に有名なアメリカのコンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)が生み出した考え方であるとされています。
MECEは、論理的思考(ロジカルシンキング)をするうえで重要な考え方です。論理的思考(ロジカルシンキング)とは、客観的な根拠に基づいて論理的に思考する思考法です。物事の問題点・課題を分析するには、結論を導き出すための要素を網羅的に挙げることが重要です。そのため、MECEと論理的思考(ロジカルシンキング)は密接に関係しているといえます。
MECEの活用例
MECEにはさまざまな物事に活用することができます。たとえば、新製品を開発する際に、MECEを活用して味、色、パッケージ、ユーザー属性(年齢・性別など)などを分類し、分析することができます。
MECEを活用することで、重複・漏れを防げるため、的確に分析することができるようになります。また、要素を可視化することで、アイデアのヒントが見つかることもあります。
参考:MECEとは?アプローチ方法・フレームワークについて解説 | あそぶ社員研修
MECEの具体的な実践方法
MECEを活用する際には、明確な1つの切り口に基づいて要素を網羅的に挙げていきます。
たとえば、性別や年代を切り口とする場合には、以下のようになります。
- 性別:男性、女性
- 年代:10歳未満、10代、20代、30代……
上記は、重複や漏れが生じていないため、正しくMECEを実践できている状態といえます。このように、MECEを活用する際には、明確な「切り口」に基づいて、すべてを網羅するように要素を挙げていくことが重要です。
MECEと関連性が高いロジックツリーの活用
ロジックツリーとは、問題解決や意志決定のプロセスを視覚的にわかりやすく書き出すフレームワークです。テーマに対する要素を細分化していく手法であり、網羅的に書き出していくことが重要なため、MECEとの関連性が高いとされています。
分析をする際には、ロジックツリーの手法を活用し、MECEの考え方に基づいて要素を抜き出していくことが重要です。MECEと合わせてロジックツリーも活用しましょう。
ロジックツリーについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
ロジックツリーとは?メリット・作り方・ツールを紹介
MECEを活用することが効果的なフレームワーク5選
以下では、MECEと関連性が高い5つのフレームワークを紹介します。
マーケティングの分析手法「3C分析」
「3C分析」は、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の各要素を分析するフレームワークです。マーケティングにおける分析で活用されており、MECEを取り入れることで、各要素を漏れなく・重複なく分析することができます。
「Customer」では市場規模や成長性など、「Competitor」では業界における競合各社のシェアや特徴など、「Company」では自社の企業理念や資本力などを分析し、マーケティング戦略を立てます。
マーケティングの分析手法「4P分析」
「4P分析」は、自社商品やサービスの展開を行う際に活用される分析手法です。マーケティングミックスと呼ばれることもあります。「Place(場所)」、「Promotion(プロモーション)」、「Price(価格)」、「Product(製品)」の各要素を分析することで、マーケティング戦略を立てることができます。MECEの考え方を用いて分析することで、漏れなく・重複なく分析することができます。
「4P分析」に関しては、実際にスターバックスが導入して成功した事例が有名です。スターバックスはコーヒーを販売する店から職場や自宅以外で自由な時間を過ごせる「サードプレイス」を提供する店として展開しています。他企業とのコラボ店舗や地域のニーズに合わせた店舗などをオープンし、少し高めの価格設定であるにもかかわらず、日本で高い知名度を誇るコーヒーチェーンとなりました。
収益性・業界構造を分析「5F分析(ファイブフォース分析)」
「5F分析(ファイブフォース分析)」は、ある業界の競争要因を分析し、収益性や業界構造などを把握することができるフレームワークです。5Fは「業界内の競合」、「新規参入の脅威」、「代替品の脅威」、「売り手の交渉力」、「買い手の交渉力」の5つで成り立っており、アメリカの経済学者マイケル・ポーターによって提唱されました。
MECEを活用することで競争要因を漏れなく・重複なく分析することができます。
市場における立ち位置を確認「PPM分析」
「PPM分析」は、市場戦略率と市場占有率という2つの軸を用いて市場での立ち位置を確認するフレームワークです。「PPM分析」には「花形」「問題児」「金のなる木」「負け犬」という4つのエリアが設けられており、自社の事業や製品が、業界内におけるどのエリアにあるのかを把握し、経営資源の投資における割合を判断するための参考とすることができます。
たとえば、「花形」に位置する場合、その事業・製品は市場戦略率も市場占有率も高いため、積極的な投資を継続すべきと考えられます。「PPM分析」では、実際に自社の事業や製品がどこに属するのか分類していくことから、その際にMECEを活用するのが効果的です。
外部と内部の環境を分析「SWOT分析」
「SWOT分析」は、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」で成り立つフレームワークで、企業・事業の現状を客観的に分析することができます。MECEを活用することで、漏れなく・重複なく的確に分析することができ、効果的に経営戦略やマーケティング戦略などを立てることにつながります。
MECEを活用する際の注意点
以下では、MECEを活用する際に押さえておきたいポイントを紹介します。
思い込みに気をつける
MECEを活用する際には、その人の偏見や知識不足による思い込みで分類を誤ってしまう場合があります。MECEにおいては、客観的に捉えることが重要とされています。適切に分析するために、客観的な事実・根拠に基づいて考えるようにすることが大切です。
目的の達成・改善を重視する
MECEはあくまで論理的思考(ロジカルシンキング)における1つの考え方であり、目的ではありません。MECEを活用することを目的とせず、どのように活用することで目的の達成につながるのかを考えながら、成果を上げていくことが大切です。
また、MECEは要素を漏れなく・重複なく、網羅的に抜き出すための考え方であり、直接的に結果を高められるものではありません。成果を上げるためには、要素に基づいて的確に分析することのほうが重要です。MECEはあくまでも要素を網羅するためのものであると捉え、分析を改善していくことを重視しましょう。
まとめ
本記事では、MECEにおける考え方の基礎や関連するフレームワークを紹介しました。
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