レゴシリアスプレイとは?ルール・用意するもの・やり方を紹介
目次
レゴシリアスプレイは、1990年代にレゴ社とIMD(スイスのビジネススクール)が共同で開発した手法です。グループワークなどで活用することで、コミュニケーションや創造性を促進させる効果が期待できます。
本記事では、レゴシリアスプレイの概要、実施するメリット、ルール・用意するもの・やり方、成功させるためのポイントを紹介します。
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レゴシリアスプレイとは
レゴシリアスプレイは、1990年代にレゴ社とIMD(スイスのビジネススクール)が共同で開発した手法です。レゴブロックを使って抽象的なアイデアや思考を具象化し、グループの中で共有・議論を深めることを目的としています。
参加者が自分の考えを「手を使って作る」ことで、潜在意識にあるアイデアや感情が引き出され、コミュニケーションや創造性を促進させる効果があります。
レゴシリアスプレイが普及した背景
レゴシリアスプレイは1990年代後半、レゴ社がIMD(スイスのビジネススクール)と共同で開発しました。当初はレゴ社内部の意思決定プロセスの改善を目的としていましたが、外部でも効果が認められ、2000年代にビジネス界に広がった背景があります。
2010年以降、レゴシリアスプレイの方法論がオープンソース化されたことで、多くのファシリテーターが実践できるようになり、世界中に普及していきました。
レゴシリアスプレイを実施するメリット
以下では、レゴシリアスプレイを実施することで得られるメリットを紹介します。
潜在的なアイデアや感情を引き出す
レゴシリアスプレイは、言葉だけでは伝えきれない潜在的なアイデアや感情を引き出すのに優れています。模型を作成することで、抽象的な考えを具体化し、視覚的に共有できるため、自分自身の思考を深く掘り下げるきっかけになります。
また、他者の模型を見て説明を聞くことで、自分では思いつかない視点や発想を得ることが可能です。特に複雑な課題や曖昧な問題について、表面化していなかった本質的な課題や共通認識を発見することで、より質の高い議論や合意形成につながります。
全員参加型の議論を促進
レゴシリアスプレイでは、全員がレゴを使って模型を作成し、それを説明するプロセスが必須となるため、全ての参加者が意見を共有する機会を得られます。そのため、内向的な人や発言が苦手な人も積極的に参加しやすくなります。
また、全員の意見が平等に扱われることで、チーム全体の一体感や信頼関係を高め、相互理解を深めることにもつながります。
複雑な問題の可視化
レゴシリアスプレイは、抽象的で捉えにくい課題や状況を、模型として可視化することで理解を深める手法です。模型を作る過程では、考えや概念が具体化され、参加者間で共通認識を形成しやすくなります。具体的な形で問題を「見る」ことができるため、解決策を議論する際の指針として機能するようになり、現実的なプランの構築が可能になります。
心理的安全性の向上
レゴという遊びの要素を取り入れることで、参加者はリラックスし、自由な発想をしやすくなります。また、手を動かしながら考えることで、普段の会議では得られない新しいアイデアや創造的な解決策が生まれます。
楽しく取り組むことで、学びやアイデア創出に対する参加者のモチベーションを高め、活発な議論を引き出すことにつながります。
チームの結束力向上
レゴシリアスプレイでは、参加者全員が共通のテーマに向かって模型を作成し、それを基に議論を深めていきます。そのため、個々の意見を尊重しながら、全体のゴールに向かう一体感が生まれます。
また、他者の模型を見ることでその人の考えや価値観をより深く理解できるため、信頼関係の強化にもつながります。特に、共同で一つのモデルを作る形式を取り入れると、自然と協力関係が生まれ、チームビルディングの一環として効果的です。
レゴシリアスプレイの基本的なルール
以下では、レゴシリアスプレイのルールを紹介します。
- 質問に基づいて模型を作る:ファシリテーターが提示する具体的な質問に対して、参加者はレゴを使って模型を作成します。模型には正解がないため、自分の解釈に基づいて自由に作ることができます。
- 全ての意見に価値がある:作成した模型やそれに込められた意味にはすべて価値があり、正しい・間違いといった評価は行いません。
- 模型を通じてストーリーを共有する:作成した模型を使って、自分の考えや意図を説明します。他の参加者は、その説明を尊重し、否定せずに受け止めます。
- 「手が考える」プロセスを重視:手を動かしながら考えることで、頭だけでは気づけない潜在的なアイデアを引き出すことを意識します。
- 全員が同じ時間を使う:時間管理を徹底し、すべての参加者が均等に模型を作り説明する時間を確保します。
レゴシリアスプレイを実施する際に用意するもの
- レゴシリアスプレイ専用キット:通常のレゴブロックに加えて、特定のワークショップ用に設計されたキットがあります。
- ワークショップ用のテーブルと椅子:レゴを広げて作業しやすい環境を整える。
- ホワイトボードやメモ用紙:議論やアイデアの記録に使用。
- タイマー:時間管理のために使用。
- プロジェクターやスライド(オプション):課題の提示や進行を分かりやすくするために役立ちます。
レゴシリアスプレイのやり方
以下では、レゴシリアスプレイのやり方を紹介します。
準備フェーズ
目的とゴールの設定
ワークショップの目的を明確にします(例:「チームの価値観を共有する」「新商品のアイデアを出す」など)。
また、ワークショップの最終的な成果物(解決策、方針、共有された理解など)も事前に設定します。
環境の準備
- テーブルと椅子:レゴを広げやすく、全員が作業できるスペースを確保。
- レゴキット:レゴシリアスプレイ専用キットまたはさまざまな形のブロックを用意。
- タイマーやホワイトボード:時間管理と議論内容の記録に使用。
参加者のリラックス促進
初めてレゴを触る人の緊張を和らげるために、自由にレゴを使って手を慣らす時間を設けます。例として、「自分の好きな動物を作ってみましょう」といった簡単な課題を出します。
実施フェーズ
ファシリテーターによる質問提示
ファシリテーターが課題やテーマを質問形式で提示します。質問は具体的でわかりやすく、参加者が思考を深められるものが理想です。以下のような例が挙げられます。
- 「あなたが考える理想のチームとは?」
- 「このプロジェクトにおける最大の課題は何ですか?」
- 「未来の顧客体験を表現してください。」
模型の作成(構築)
質問に対して、各自がレゴを使って模型を作成します。手を動かしながら考えることで、潜在的なアイデアを引き出します。作成時間は5〜15分程度が一般的です。
模型の説明(共有)
各参加者が順番に、自分の模型を説明します。この際、以下のポイントを含めると良いです:
- 模型に込めた意味やストーリー。
- どのパーツが何を表しているか。
- なぜその形にしたのか。
ディスカッション
説明された内容を基に、他の参加者が質問やコメントを行います。このプロセスで、アイデアが深まり、チーム全体で新たな視点を得ることができます。
応用フェーズ
共同モデルの作成
個人の模型を共有した後、チーム全員で一つの共同モデルを作成します。これは、全員の意見を反映した「合意形成の象徴」として機能します。以下のような例が挙げられます。
- 「私たちの理想の未来を象徴する模型を作ろう。」
ストーリー構築
模型を基に、全体のストーリーを作り上げます。これは、チームのビジョンや具体的な行動プランにつながるものです。
成果の振り返りとアクションプラン
模型から得られた気づきや合意内容を整理し、次のアクションを明確にします。ホワイトボードに結論を書き出す、または写真を撮影して記録に残すと良いでしょう。
レゴシリアスプレイを成功させるためのポイント
以下では、レゴシリアスプレイを成功させるコツ・ポイントを紹介します。
明確な目標設定
レゴシリアスプレイを成功させるには、ワークショップの目的と期待する成果を明確に定義することが重要です。目標が曖昧だと、参加者がどのような方向性で取り組むべきか分からなくなり、議論が散漫になるリスクがあります。例えば、「チームビジョンの共有」や「新商品のアイデア創出」など、具体的なゴールを設定しましょう。また、そのゴールを達成するために、ファシリテーターが提示する質問も明確かつ具体的にする必要があります。目的が明確であれば、参加者はそのテーマに集中し、模型作成や議論を深めやすくなります。このように、目的の設定が成功の土台を築きます。
適切なファシリテーション
ファシリテーターの役割は、参加者が最大限のアイデアを引き出せるようにサポートすることです。質問の提示や議論の進行を通じて、全員が平等に参加できる環境を整えます。また、ファシリテーターは中立的な立場を保ち、参加者の意見を導くのではなく、自由な発想を尊重することが大切です。適切なタイミングで質問を投げかけることで、思考を深めたり、新しい視点を提供したりすることも可能です。さらに、進行状況に応じて柔軟に時間配分やアプローチを調整するスキルが求められます。ファシリテーターがしっかりサポートすることで、ワークショップの効果が飛躍的に高まります。
心理的安全性の確保
心理的安全性とは、参加者が批判を恐れずに自由に意見を共有できる環境のことです。レゴシリアスプレイでは、模型やストーリーに正解・不正解がないため、全ての意見やアイデアに価値があるという雰囲気を作ることが重要です。ファシリテーターは、参加者が他者の意見を否定せず、尊重し合うよう促します。また、内向的な人や発言が苦手な人でも模型を通じて自分の考えを表現できるため、こうした心理的安全性が確保されると全員が積極的に参加できます。この環境が整うことで、アイデアの質や議論の深さが格段に向上します。
時間管理の徹底
レゴシリアスプレイでは、模型作成、説明、議論の各フェーズで時間を厳守することが必要です。制限時間を明確に伝えることで、参加者は集中して作業に取り組めます。例えば、模型作成に10分、説明に1人あたり3分、議論に10分といった具体的な時間配分を事前に決めておきます。ファシリテーターはタイマーを使って進行を管理し、時間内に全員が公平に意見を述べられるよう配慮します。また、時間管理が徹底されると、ワークショップ全体のスムーズな進行につながり、限られた時間内で最大限の成果を引き出せます。
手を動かすプロセスの重視
レゴシリアスプレイでは、「手を動かして考える」ことが中心です。手を動かすことで脳が刺激され、普段の会議では出ないアイデアが引き出されると言われています。そのため、模型を作るプロセス自体を重視し、言葉で考えるよりも手を動かすことに集中できる環境を作ることが大切です。ファシリテーターは参加者に「完璧でなくてもいい」「とにかく手を動かそう」と促し、気軽に模型作りに取り組めるよう働きかけます。手を使った作業を通じて、潜在的なアイデアや深い洞察が生まれる点がレゴシリアスプレイの大きな魅力です。
まとめ
レゴシリアスプレイを実施することで、参加者の潜在的なアイデアが引き出され、創造力が高まることが期待できます。また、体験を通じて、チームの結束力を強化したり、コミュニケーションを促進させたりすることにもつながります。
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