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トラストフォールとは?やり方や活用例について解説
目次
ビジネスを進めていくうえで重要なのが、周囲の人との信頼関係です。その信頼関係を構築するためのワークの1つに「トラストフォール」があります。
上司と部下、同僚の間に信頼関係が構築されていれば、気軽な意見交換がしやすく、仕事をスムーズに進められます。結果的に、業務効率や生産性の向上にもつながるでしょう。社内研修にトラストフォールを取り入れることで、ゲーム感覚で楽しみながら仲間との信頼関係を深めることができます。
この記事では、トラストフォールのやり方や注意点、実施のポイントを紹介します。
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トラストフォールとは?
トラストフォール(Trust Fall)は、直訳すると「相手を信じて、倒れる」という意味です。その名の通り、信頼関係を築くワークとして、企業の研修や学校の行事などで取り入れられています。
実施方法やプレイ人数はさまざまで、少し高いところから1人が倒れ込んで複数人で支えるパターンや、1対1で行うパターンなどがあります。共通しているのは、倒れかかる人を他の人が支えるという点です。それぞれが「倒れる・支える」役割に集中し、お互いの信頼関係を深めることを目的としています。
トラストフォールが成功するかどうかは、相手との関係次第です。協働作業を通して、他者からの「信頼」という目に見えないものを可視化し、具体的な行動レベルで体感できます。倒れる側は相手に身を委ね、支える側は相手を全力でサポートする行為を通じて、強い信頼関係が生まれるでしょう。 それと同時に、リスクに対してチャレンジする姿勢を体験的に学べます。
トラストフォールのやり方
企業の研修としてオフィス内でトラストフォールを実施する場合、1人が高いところから倒れ込み、複数人で支えるやり方は危険です。そこで、ここでは2人1組で実施する際の方法について紹介します 。
参照:信頼を高めるための「トラストフォール」のやり方 | ビジネスゲーム研修なら株式会社HEARTQUAKE
1.ペアを作る
2人1組になり、ペアを作ります。倒れる側と支える側の体格差があると、相手を支えきれずに倒れてしまう可能性があります。グループ分けの際、両者の体格差が大きくならないよう配慮が必要です 。また、トラストフォールでは身体的な接触があるため、ハラスメントと感じる人もいるかもしれません。ペアを組む相手は同じ性別の人にするのが無難です。ペアを作ったら、倒れる人(Aさん)と支える人(Bさん)を決定します。
2.準備
床にマットなどの柔らかい素材を敷きます。また、倒れたときに机の角などに頭をぶつけないよう、広く障害物のない場所で行い、安全面には最善の注意を払いましょう。
いきなりトラストフォールを始めると、思うように体が動かずケガのもとになります。まず、ストレッチなど十分なウォーミングアップを行ってから実施しましょう。準備運動が終わったら、Aさんは目を閉じるか、目隠しをします。Bさんは足を広げて踏ん張り、両腕を伸ばして、Aさんを支える準備をします。
3.確認
お互いに声をかけ合い、準備ができたかどうか確認します。 このとき、支える側が倒れる側をせかさないように注意しましょう。倒れるほうは相手の顔が見えない分、不安も大きいものです。勇気を持って踏み出せるまで、じっくり待つ姿勢が求められます。
会話の例
- Aさん「準備はいいですか?」
- Bさん「準備OKです」
- Aさん「支えてください」
- Bさん「わかりました」
4.実践
Aさんは、Bさんを背にして直立したら、自分の胸の前で腕を組み、1.2.3などの合図で倒れます。倒れる際に恐怖心があると、腰が折れてしまったり、膝が曲がってしまったりすることがあります。そうなると体重が分散されず、腰に重さが集中して落下するなど、重大な事故につながりかねません。1本の棒になったような気持ちになって、体を曲げずに一直線になった状態で倒れましょう。
BさんはAさんを柔らかく支え、受け止めたら元の位置まで優しく戻します。その際、Bさんは膝を軽く曲げて、クッション効果を持たせるようにしましょう。2人の距離感については、最初は近くから始めて、慣れてきたら少しずつ距離を伸ばしていきます。
5.振り返り
ワークの最後に振り返りの時間を持ちます。グループで輪になって座り、倒れるときの葛藤や、信頼関係に変化があったかどうかなどを話し合いましょう。
トラストフォールを実施する際の注意点とポイント
トラストフォールを成功させるためのポイントや注意点を紹介します。
安全面に十分配慮して行う
トラストフォールは気をぬくとケガや事故につながるリスクがあります。安全面には十分な配慮が必要です。実施する際には、くれぐれもふざけないよう注意を喚起しましょう。支える人も倒れる人も、お互いに危険を回避するために、腕時計やメガネなど他者や自分を傷つける恐れのあるものは外してもらいます。
またマットを引いたり、障害物のない広い場所で行なったりするなど、環境面での安全対策を講じましょう。
目的を事前に共有しておく
トラストフォールは一見すると、ただのレクリエーションと思われがちです。実施する目的がわからないと、浮ついた気持ちで参加しようとする人が出てくるかもしれません。何のためにこのワークをやるのか、この活動を通して何を伝えたいのかを事前に共有しておくことが大切です。
アイスブレイクを組み込む
トラストフォールはある程度の危険を伴うので、初対面の人や関係性が低い人がパートナーだと不安に思うことも多いでしょう。いきなりワークを実施しても、うまくいかない可能性があります。ペアになった後、自己紹介系のアイスブレイクを実施してからトラストフォールを実施するといいでしょう。
おすすめの自己紹介系アイスブレイク
- 漢字自己紹介
自分のことを漢字一文字で表現し、その理由を説明します。 - 共通点探しゲーム
2人1組でペアを作り、対話を通してお互いの共通点をできるだけ多く探します。 - Good & New
24時間以内に起こった「良かったこと」や「新しい発見」を1分程度で発表し、発表が終わったら聞き手は拍手します。
ワーク後はフィードバックを行う
研修の成果を今後の成長につなげるためには、ゲーム終了後のフィードバック(振り返り)が必要不可欠です。ワーク中の体験や感想を参加者全員で共有することで、一人ひとりの課題が明確となり、組織の成長・生産性向上につなげられます。
トラストフォールを実施するメリット
トラストフォールを実施するメリットをいくつか紹介します。
信頼関係を構築できる
ビジネスを進めていくうえで、周囲と信頼関係を築くことは重要です。職場の人間関係が良好であれば、仕事で問題が起こっても、周りの人と協力して対処できるでしょう。
トラストフォールの実践は、社員間の信頼関係を深めるうえで有効です。ワークを通じて「Aさんは自分を信頼して倒れてくれた」「Bさんはきちんと受け止めてくれた」といった相互理解やお互いを思いやる気持ちが生まれ、信頼関係が深まります。
行動力が高まる
今まで経験したことがない仕事に対して「失敗するのではないか」と不安や恐怖を感じ、なかなか行動に移せない人は少なくありません。失敗することへの恐怖心を克服するには、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。トラストフォールの成功で自信がつけば、さらなる行動力につながるでしょう。
チームワークの向上につながる
チームワークとは、チームのメンバーと協力・連携して、1人だけでは成し遂げられない目標を達成することをいいます。トラストフォールは、お互いに声をかけ合ったり助け合ったりしながら、成功を目指すワークです。1つの課題に対してメンバー同士が協力して取り組むことで、チームワークの向上を実現します。
リスク管理力が高まる
現代社会を生きていくうえで、欠かせないスキルがリスク管理力です。リスク管理力とは、これから起こるトラブルを予想して、回避もしくは被害を最小限に抑える能力を指します。トラストフォールはある程度の危険を伴うため、さまざまなリスクに備えなければなりません。危険に対する感受性が高まり、リスク管理能力の向上に役立ちます。
トラストフォールの活用例
トラストフォールの活用例を紹介します。
新人研修
新入社員が入社後に最初に受講するのが、新入社員研修です。この新入社員研修で、ついていけないと不安を感じたり、他の社員となじめなかったりする と、最悪の場合には早期退職につながる可能性があります。
そのような早期離職を未然に防ぐための方法として、トラストフォールを取り入れるのがおすすめです。ゲーム感覚で楽しみながら仲間との交流を深め、信頼関係を構築できるので、新入社員の不安が取り除かれ、組織になじみやすくなります。結果的に、早期離職の防止にもなるでしょう。
リーダー研修
リーダー研修は、管理職や中堅社員、プロジェクトリーダーなど、リーダーシップを特に発揮してほしい人材に対して行われる研修です。リーダーには、周囲のメンバーをサポートして牽引する資質が求められます。トラストフォールは、リーダーに必要とされるリスク管理力 やコミュニケーション能力、マネジメントスキルなどの育成に役立ちます。
あそぶ社員研修(研修テーマ例・内容)
「あそぶ社員研修」は、アクティビティと専門講師による講義、ワーク、振り返り・解説を一体化させることで、座学・実践を通じて研修の内容を深く理解し、翌日から業務で活用する具体的な方法まで学べる研修プログラムです。
例えば、PDCA研修ではロケットの制作・打ち上げに関するシミュレーションを行うアクティビティ「ロケットPDCA」を実施し、短時間のうちにPDCAサイクルを回すことを体験することで、講義・ワーク・振り返りなどによる学びを最大化させます。
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■研修テーマ・アクティビティの例
- コミュニケーション研修(謎解き脱出ゲーム)
- ロジカルシンキング研修(リアル探偵チームビルディング)
- クリティカルシンキング研修(混乱する捜査会議からの脱出)
- PDCA研修(ロケットPDCAチャレンジ)
- 合意形成・アサーティブコミュニケーション研修(コンセンサスゲーム)
まとめ
トラストフォールは、信頼関係の構築を目的とした実践的なワークです。「倒れる」「支える」という動きを通して、チームメンバー間の信頼関係を深めることができます。
ただし、重大な事故を引き起こす危険性がゼロではないため、浮ついた気持ちで行おうとする人への注意喚起が必要です。「仲間を絶対にケガさせてはいけない」という緊張感を持って取り組むことが、ワークを安全に導くポイントになります。
安全面に配慮しながら、適切に実施しましょう。
「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。
アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。
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福岡在住。大学を卒業後、大手食品メーカー勤務を経て、異業種のライターへ転身。求められている情報をわかりやすく伝えることがモットー。